日本ハム・新庄監督が5日侍戦に抜てき 「足がバネでできている」育成高卒1年目の阿部

[ 2022年11月3日 06:00 ]

ティー打撃を繰り返す日本ハム・阿部(撮影・沢田 明徳)
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 日本ハムの新庄剛志監督(50)が5日の侍ジャパンとの強化試合(東京ドーム)で育成選手の阿部和広外野手(19)をテスト起用することが2日、分かった。日本一を狙うと公言する来季に向け、21年育成ドラフト4位で入団した両打ちの俊足外野手を大抜てき。育成選手では唯一のメンバー入りだ。阿部も大舞台で自慢の走力をアピールすることを宣言した。

 1、2軍が午前、午後に分かれ、千葉・鎌ケ谷の球団施設で行われたこの日の全体練習。午後の1軍の練習には背番号124のユニホームを身につけた阿部の姿があった。取材対応なく球場を後にした新庄監督に代わり、林ヘッドコーチはこの日の1軍練習参加メンバーが侍ジャパン戦のメンバーと明かし「ボスが“見たい”と言っていた」と代弁した。

 新庄監督は阪神とのトレードで獲得した江越と斎藤も侍ジャパン戦でテスト起用することを明言済み。阿部も同様に来季の支配下選手登録を懸け、重要な舞台となる。プロ入りして初めて1軍練習に参加した阿部は「1軍の緊張感は違う。最初は緊張したけど、だんだんその雰囲気に慣れていかないと1軍でプレーするのは難しい。育成でこの時期に使っていただけるので、チャンスをモノにして上げてもらえるようにアピールするしかない」と意気込んだ。

 高卒1年目の今季は、1月の新人合同自主トレ中に左太腿裏の違和感を訴え、2月のキャンプ中は別メニュー調整。「なかなか全力で走れず、シーズン途中までリハビリだった」とスタートで出遅れたが、5月にイースタン・リーグで実戦デビューすると、今季は26試合で打率・209、0本塁打、1打点、4盗塁だった。打撃面では課題を残したが「足は自信があるので、そこは通用するかな」と手応えもつかんだ。

 幼少期は児童養護施設で育った。大成を誓って飛び込んだプロの世界。50メートル5秒8のスピードを持ち、昨年12月の入団発表では「自分の足はバネでできているので見てほしい」と自己PRした。「安打を打って1盗塁くらいしたい。代走でも何でもいいので、塁に出て、“おっ”て思わせたい」。地上波中継もある一戦で指揮官や全国に顔と名前を売り込む。(東尾 洋樹)

 ◇阿部 和広(あべ・かずひろ)2003年(平15)5月12日生まれ、神奈川県二宮町出身の19歳。平塚学園では1番を打った3年夏初戦(2回戦)で4安打。3回戦で敗れ、甲子園出場はなし。入団テスト受検を経て昨年育成ドラフトで日本ハム最終指名の4位で入団。1メートル70、65キロ。右投げ両打ち。

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2022年11月3日のニュース