地獄の秋 想像以上だった巨人秋季キャンプ

[ 2022年11月3日 07:30 ]

早出練習で、トスバッティングする北村。中央は大久保打撃チーフコーチ(撮影・河野 光希)
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 地獄の秋――。予告はされていたが、想像以上だった。2日に宮崎市で巨人の秋季キャンプがスタート。初日の午前6時30分からアーリーワークが行われた。キャンプメンバーの野手16人のうち、坂本、ウォーカー以外の14人が参加。一斉にティー打撃を開始した光景は壮観だった。

 朝食より先に2000スイングを振っていた。新任の大久保打撃チーフコーチは「1日かけてやればいいよ、と言ってる」と言うが、全員がアーリーワーク中にノルマを達成。「ノルマは練習に入っていない。そこからどうやって自分は積み上げていくか」という同コーチの考えに応えるように、ノルマを終えた状態で全体練習を迎えた。

 外はまだ薄暗い中、キャンプ敷地内の屋内練習場である木の花ドームに打球音が絶えず響いた。選手が取り組むのは連続ティー。基本は200球を休みなく打ち込むメニューで「鍛えておくと(低めのボールを)拾える。それには数が必要」と同コーチは狙いを明かす。ただ、200球1セットはあくまで目安。北村は一度に1000球、岸田は500球を2セットと数の減らし方はさまざまだった。岸田は「めっちゃきつい」と笑いながらも「振る力とかはついてくると思う。自分に負けないように」と奮い立たせた。

 早朝からの猛練習。「きつい」という言葉を口にしながらも、選手の表情からは充実感が伝わってきた。今季はプロ初本塁打を放つなど勝負強い打撃で存在感を発揮した増田陸は「キャンプなので、きついのが当たり前。その中で、やらされるのではなく、しっかり自分でやりきって」と言い、2年目の喜多は「達成感があるから気持ちいいです」と笑顔。広岡も「しっかりモノにできるように」と前を向いた。

 全体練習後は今まで通り、特守や特打など個別のメニューをこなした。練習が完全に終了したのは午後4時。とにかく振って、振って、振っていた。菊田はアーリーワーク後の朝食に「昼食かと思いました」と言った。その言葉こそ、濃密な時間を過ごしている証拠だ。(記者コラム・小野寺 大)
 

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2022年11月3日のニュース