10年以上福留を取材した記者 幻の“福留本”すぐに浮かんだタイトルは「ぶれない」

[ 2022年9月9日 07:00 ]

中日・福留孝介 引退会見 ( 2022年9月8日 )

95年ドラフト会議で意中の球団から指名されず、社会人入りを決めたPL学園の福留

 【記者フリートーク】中日、阪神で10年以上取材してきた。数年前に出版社の知人から「福留の本を書きませんか?」と言われたことがある。そんな時間も自信もなく、何よりも現役選手のことを書くのに違和感を覚え断った。ただ、もしも書くならタイトルはこれしかないとすぐ浮かんだ。「ぶれない」だ。

 鹿児島から大阪・PL学園への挑戦を決めた時もそう。7球団競合のクジを引き当てた近鉄入団を拒否した時もそうだ。どんな時も自分で決めた道は絶対に譲らない。鋼のような意志の固さが最大の武器と思っている。

 「小学3年生から職業はプロ野球選手と決めていた。これで食べていく、と。なら、やらなきゃいけない」

 少年時代から「練習がつらい、休みたい」と思ったことは一度もないと言うので「なぜ?」と聞くと、そう答えた。座右の銘は「努力に勝る天才なし」。本物のプロの生きざまを間近で見られたことは、記者冥利(みょうり)に尽きる。
(02~07年中日担当、16~20年阪神担当・山添 晴治)

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2022年9月9日のニュース