ロキテクノ富山 初の日本選手権出場へ逆転発進 中井が千金満塁弾「打った瞬間に…」

[ 2022年9月9日 14:19 ]

第47回社会人野球日本選手権大会北信越最終予選1回戦   ロキテクノ富山7ー3FedEx ( 2022年9月9日    ハードオフエコスタジアム新潟 )

ロキテクノ富山・中井雄輝(撮影は5月)
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 初の日本選手権大会出場を目指すロキテクノ富山が終盤に猛攻を見せ、逆転で初戦を突破した。1点劣勢の8回は同点に追いつき、なおも2死満塁。5番に入った中井雄輝が初球の内角変化球をとらえ、右翼席へ決勝のグランドスラムを放り込んだ。

 「直前が四球で、その前も申告敬遠。初球から取りに来ると思い打席に向かいました。打った瞬間に入ったと思いました。同点に追いつきチームが押せ押せの状態だったので、うまく乗せてもらうことができました」

 5番・中井は新生ロキテクノ富山の象徴でもある。初出場を果たした今夏の都市対抗は打線が振るわず初戦敗退。得点力不足を補うべく、藤田太陽監督は大会終了後、不動の4番だった中井を動かすことを決断した。

 「バントでコツコツと走者を進めることも大切ですが、都市対抗を経験して得点力を上げていかないと全国で勝てないこと痛感した。日本選手権に向けて打つことに重点を置く中で、1番から4番に動ける選手を起用して、より走者をためた状態で中井に回そうと」

 中井もまた、新たな気持ちで秋を迎えた。従来は理想の打撃フォームを手にすることに腐心していたが、都市対抗では3打数無安打1併殺と沈黙。悔しい経験を経て「内容の良いアウトより、会心でなくてもヒットになればOK」と意識を改めた。チーム随一の練習量を誇ってきたが、スイング数はさらに増加。全国で勝てる打線の中軸として、とことんバットを振り込んで最終予選に臨んだ。

 この日は相手先発・金井貴之の攻略に苦しんだが、2点劣勢の7回1死一塁では中井が右前打を放ち一、三塁と好機を拡大。続く代打・北村進太朗の右犠飛で1点差に追い上げ、8回の逆転劇へとつなげた。藤田監督は言う。

 「オープン戦でもなかったビッグイニングをつくれ、良い形で試合を決めてくれました」

 全国の舞台に立つだけでは、ナインの誰もが満足できない。攻撃的な新打線をひっさげ、全国切符を勝ち取る。

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2022年9月9日のニュース