楽天・涌井、右手中指骨折から4カ月ぶり復帰先発で6回2失点4勝目「投げていて楽しかった」

[ 2022年9月9日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天7―3ソフトバンク ( 2022年9月8日    ペイペイD )

<ソ・楽>6回、デスパイネを内野ゴロに抑え野手をたたえる涌井(撮影・岡田 丈靖)
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 楽天・涌井秀章投手(36)が8日、ソフトバンク戦に先発し、6回3安打2失点で今季4勝目(1敗)を挙げた。右手中指骨折で戦線離脱していたが、4カ月ぶりの復帰マウンドでチームを救う大きな白星。首位相手に2連勝となり、5カードぶりの勝ち越し。首位ソフトバンク、2位西武、3位オリックスの3チームが0ゲーム差にひしめく大混戦だが、4位楽天もそこから2・5ゲーム差に接近した。

 百戦錬磨の涌井ですら、あまり感じたことのない緊張感の中で腕を振った。「気持ちの高揚があってフワフワしていた」。右手中指骨折から4カ月。負ければ自力優勝の可能性が消滅する状況での復帰戦だったが、チームを2連勝へ導いた。

 初回にいきなり柳田に先制2ランを浴びた。沈みきらなかったシンカーを痛打されたことで、冷静さを取り戻した。「投げたい投げたい、という気持ちを抑えた」。2回以降は手応えの良かった直球を軸に、スライダーや普段より球速を5キロほど落としたチェンジアップ、大きく曲がるカーブを交えて的を絞らせなかった。6回3安打2失点。5月4日以来の4勝目に「戻ってこられて良かった」と自然と頬が緩んだ。

 5月18日のロッテ戦で打球を処理した際、右手中指を骨折した。18年目の36歳。高校時代に成長痛で1週間ほど練習から離れたことはあったが、野球人生で初めて長期離脱を強いられた。手術も受けたが、不思議と不安はなかった。「乗り越えるしかない。元に戻るでしょ」。前向きにさせてくれたのが、多くの仲間の存在だった。2軍でリハビリ中の塩見には「楽しむしかない」と声をかけられ、元同僚で右肘のじん帯再建手術を乗り越えたロッテ・西野からも励ましの言葉が届いた。

 5カードぶりの勝ち越しでV戦線に踏みとどまった。0ゲーム差でひしめく上位3チームを、楽天が2・5ゲーム差で追いかける大混戦。9月以降に上位4チームが2・5ゲーム差以内となるのは、98年9月27日以来、24年ぶりだ。戦場に戻り、居場所と役割を再確認した。「投げていて楽しかった。1敗もできないと思ってやっている。休みをいただいていたので、しっかり投げたい」と涌井。頼もしいピースが加わり、反撃ムードは一気に高まった。(重光 晋太郎)

 ≪24年ぶり大混戦≫首位ソフトバンクから4位楽天までは2.5ゲーム差。今季パで1~4位が2.5ゲーム差は8月27日以来。9月以降の例では、98年9月27日のパ・リーグで、首位西武から4位ダイエーまで2.5ゲーム差になって以来24年ぶり。

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