3連発の村上1人にやられた阪神、連勝5でストップ 矢野監督「ずっと打たれるわけにいかない」

[ 2022年8月1日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2―4ヤクルト ( 2022年7月31日    甲子園 )

<神・ヤ>延長11回、村上(左)に3打席連続となる勝ち越し2ランホームランを打たれる石井(撮影・椎名 航)
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 阪神は31日、ヤクルトの村上宗隆内野手(22)に、3打席連続本塁打による全4打点を挙げられ、痛恨の惜敗を喫した。2点優勢の逃げ切りを図って投入した渡辺雄大投手(30)、岩崎優投手(31)がソロを浴び、延長11回は石井大智投手(25)が決勝2ランを浴びた。球宴を挟んで続いていた連勝は5でストップ。2日からの長期ロードを前に貯金は1となり、首位とのゲーム差が再び10になった。 

 村上1人に全て止められた。延長11回に浴びた3打席連続アーチとなる決勝2ランで、甲子園が静まりかえった。チームの6連勝も、甲子園7連勝も、日曜日5連勝も、ヤクルト戦4連勝も幻になった。大逆転Vを指す「ドラマ」へ向かって動き出した猛虎は、厳しい現実を突きつけられた形だ。矢野監督は試合後、素直に相手4番の力を認めた。

 「それは見事やしね。でも、これから対策を練らないと。まだまだ(ヤクルトとも村上とも)当たるんで」

 石橋を叩いて渡る継投をしたはずだった。2点優勢の7回からは継投策を決断。6回72球3安打無失点のガンケルに代えて2番手として左横手の渡辺を投入した。先頭打者の村上には、今季4度の対戦で3奪三振(1四球)。相性の良さを買って、ワンポイントで送り込んだ。しかし、スライダーを4球続けたことが裏目に出て、追い込んでから左翼席へ特大弾を浴びた。

 1点差に詰められた9回は、守護神の岩崎が1死から右翼席へソロを放り込まれた。10試合連続無失点だった左腕の初球の失投を、“村神様”は見逃してくれなかった。対戦23打席目で初被弾。勝利目前で追いつかれた。

 延長11回は、15試合連続無失点中だった石井が玉砕した。2死一塁で2ボール。捕手の梅野はベンチをチラチラと見た。カウントが不利になり、敬遠策も考えられたが、勝負に変更はなかった。そして、打たれた。

 「勝負にいった結果なので受け止めて。ずっと打たれるわけにいかない」

 指揮官は冷静だった。石井は好投を続けていたとはいえ、競った展開でほぼ投げていない。実績では加治屋の順番だが、前日まで2連投で、同じく2連投だった岩貞がこの日、ベンチを外れた。夏の甲子園開催に伴い、2日から3カード連続のビジターゲーム。疲労と過酷な戦いを想定して、ブルペン陣のメンバーと起用順が変わった可能性がある。

 首位相手からの3連勝を逃し、再び10ゲーム差。それでも、矢野監督は「いい形でできていることは多い。今まで以上にやっていく」と長期ロードに目を向けた。次に甲子園に帰ってくるのは、8月30日の広島戦。ツバメの背中はあまりに遠くとも、下だけは向かない。(倉世古 洋平)

 《10年ぶり3打席連続被弾》阪神が1人の打者にゲーム3被弾は16年9月10日のヤクルト戦(神宮)山田に初回3ラン=能見、3回ソロ=能見、7回ソロ=岩田以来6年ぶり。3打席連続は12年5月8日の広島戦(新潟)ニックに2回ソロ=久保、4回ソロ=久保、5回2ラン=渡辺以来10年ぶりになる。甲子園の3打席連続は84年7月31日に中畑清(巨)に打たれて以来ちょうど38年ぶりで、92年のラッキーゾーン撤廃後では初の屈辱だ。

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