関本賢太郎氏「接戦でバント失敗が3回。細かいミスが最後に響いた」

[ 2022年8月1日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神2―4ヤクルト ( 2022年7月31日    甲子園 )

<神・ヤ>9回、送りバントに失敗した糸原はヒッティングで併殺打に倒れる(投手・梅野)(撮影・椎名 航)
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 【関本賢太郎 視点】首位ヤクルトの4番を任された村上の凄さを見せつけられた。まさかの3打席連続本塁打。トップクラスの打者がゾーンに入ったときの底力には敬服するしかない。

 甘い球を完璧に捉える形になっていた。それだけに、勝つために4番との勝負を避けるという選択肢はあった。特に延長11回2死一塁での打席。もし、この場面が2死二塁なら一塁が空いているから間違いなく歩かせるところだ。

 ならば2死一塁でも歩かせるというのは、作戦としてはある。村上に打たれる確率と、次打者に打たれる確率を比較したら、どちらの可能性を選択するかは見えてくる。

 だが、一方でヤクルトを2位の立場で追いかける阪神の思いとして「村上から逃げたくない」の気持ちがあるのは理解できる。歩かせるという方法は当然、阪神ベンチにもよぎっていたはず。それでも、2本打たれている4番を歩かせることには、プロとしてのプライドもある。むしろ問題はこの村上の3本が試合結果に直結する流れを、阪神がつくったことだった。

 接戦でバント失敗が3回あった。3回1死一塁ではガンケルが3バントに失敗。5回無死一、二塁では中野がバントで走者を進めることができなかった。さらに9回無死一塁では糸原がバント失敗から一ゴロ併殺。代走・植田を出しているだけに、満点のバントでなくても二塁に進めていたと思うが、ライン際を狙ってサヨナラにつなげることができずに終わった。

 延長11回にも青木の空振り三振で捕逸振り逃げを許したことが、村上に打席を回す流れをつくった。追う側の阪神が細かいミスを犯し、追加点を取れる状況をつくる過程で失敗したことが、最後に響いた。

 チームはこれから夏のロードに出る。敗れたが、8カード連続負け越しなしは続いている。8月も継続して、ヤクルトとの差を縮めていくしかない。次回8月16日からの直接対決までに3ゲーム縮めて7差で戦いたいところ。敗戦から学んだことを、そのためにも生かすしかない。(スポニチ本紙評論家)

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2022年8月1日のニュース