1メートルの距離で見たエンゼルス大谷のフリー打撃 衝撃音、スイング音に凄み

[ 2022年8月1日 08:00 ]

<MLBオールスター>ゲージの中で打撃練習をする大谷(撮影・篠原岳夫)
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 昨年に続き今年も現地で大リーグのオールスター戦を取材する機会に恵まれた。昨年と違ってコロナ下の取材規制は大幅に緩和。ワクチンのブースター接種が条件だが、コロナ禍前のように両軍のクラブハウスでの取材も可能になった。

 最も驚いたのが、選手の試合前フリー打撃をケージから約1メートルほどの距離で見ることができたこと。後方、横、どこからでも見ることができた。中でもヤンキースのジャッジ、スタントンの両主砲のスイングは凄まじかった。ジャッジは2メートル1、127キロ。スタントンは1メートル98、111キロの体格を誇るが、力感を感じさせないスイングから、ピンポン球のように打球を飛ばし、柵越えを連発。2人は練習中に何度も真横を通っていったが、そのたびに体の大きさに驚いた。

 その2人に負けず劣らずのスイングを見せたのがエンゼルス・大谷だ。29スイングで14本の柵越え。4セット目の2~5スイング目は圧巻の4連発。ドジャースタジアムの右翼スタンド後方の屋根の上まで届いた推定飛距離140メートル級の場外弾2連発に、しばらくスタンドはどよめきに包まれていた。

 大谷の屋外フリー打撃は珍しく、シーズン開幕後は4月26日以来、2度目。大谷いわく「(室内)ケージが混むので、時間が決まっているところ行ったほうが、自分の調整としても楽に出来る」ことが理由だった。そもそも、大谷の番記者を日本ハム在籍時から務めて9年目を迎え、ここまで近くで打撃練習を見た記憶がない。一塁側と三塁側の真横、真後ろなど全方向から観察したが、他の選手と違い、まずボールを捉える甲高い衝撃音が凄まじい。また、素振りではなく、打撃練習でバットのスイング音が聞こえるのも大谷だけだった。

 日米の野球ファンを笑顔にした「ミッドサマー・クラシック(真夏の祭典)」。その場にいた報道陣が一瞬でも仕事を忘れ、少年少女のように目を輝かせてスター選手たちの打撃練習を見つめていた光景は忘れられない。(記者コラム・柳原 直之)

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2022年8月1日のニュース