エンゼルス・大谷、逆転22号3ランも笑顔なし トレード期限まであと3日…何を思う

[ 2022年8月1日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス9-7レンジャーズ ( 2022年7月30日    アナハイム )

<エンゼルス・レンジャーズ>3回、大谷は22号3ランを放つ(撮影・大森 寛明)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(28)が30日(日本時間31日)、レンジャーズ戦に「1番・DH」で出場し、3回に一時逆転となる22号3ランを放った。打ち合いの末、8回には両リーグトップ10度目の敬遠四球で歩かされて決勝の生還を果たした。トレード期限の米東部時間8月2日午後6時(日本時間3日午前7時)まで、あと3日。背番号17の周囲が依然として騒がしい中で、勝利に貢献した。

 6月28日のホワイトソックス戦以来、約1カ月ぶりの本拠地での一発。大喜びするアナハイムのファンとは対照的に、大谷は一切表情を変えなかった。0―2の3回無死一、二塁で逆転3ラン。ベンチで恒例のカウボーイハットをかぶせられても、笑みを浮かべることなくナインとハイタッチを繰り返した。

 先発右腕オットーが投じた内角低めのチェンジアップを右中間席に運んだ。本塁打が今季わずか1本だった内角低めを攻略。25日のロイヤルズ戦で自打球を当てた右太腿下部の状態を気遣ってか、26日の21号と同様、いつもよりゆっくりとダイヤモンドを一周した。

 トレード期限の8月2日(日本時間3日)まで、あと3日。大谷は28日の登板後、エンゼルスへの愛着を口にしつつ「残りたいというよりは、やることをやるしかない。どこにいても、何をやるかは変わらない。今はエンゼルスにいる以上、(ここで)一試合一試合を勝ちたい」と話した。期限までに移籍が成立する可能性は低いとされるが、既に複数球団が大谷のトレードを打診していることが明らかになっている。そんな状況下、会心のアーチにも表情を変えない大谷の姿があった。

 6―7の8回2死二塁では、両リーグトップの10個目の敬遠四球で歩かされ、勝ち越しのホームを踏んだ。メジャーの「アンリトゥン・ルール(不文律)」では試合の終盤、出塁すれば勝ち越しの走者となるケースでの敬遠はご法度。いかに手ごわい打者かを改めて示した。フィル・ネビン監督代行は「しかも左投手に敬遠四球で歩かされるとは」と驚き「一日を通して打席内容が良かった。打席での彼は恐ろしい。左右どちらの投手にも良いスイングをする」と、賛辞を並べた。

 地区4位に低迷するエ軍が3点以上のビハインドを逆転するのは、5月8日のナショナルズ戦以来83日ぶり。大谷は試合後のハイタッチの際にようやく少し表情を緩ませたが、試合後の取材対応はなく、珍しくクラブハウスにも姿はなかった。球団関係者によれば、屋内施設で体のケアやトレーニングをしていたという。現地のテレビで大リーグのニュースは期限目前のトレード一色。大谷は今、何を思うのか――。(柳原 直之)

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2022年8月1日のニュース