キーワードは「1点の重要性」 個も組織も強い大商大野球部の「秘密」に迫る

[ 2022年2月27日 18:22 ]

大商大・伊原陵人
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 関西六大学野球連盟に所属する大商大の“秘密”に迫る。リーグ2位となる17回の優勝回数を誇る同大学。09年11月の富山陽一監督(57)就任以降、優勝回数とともに、12年間で13人のプロ選手を輩出するなど、全国的な知名度も高めてきた。スポニチではYouTubeチャンネルの「スポニチ ドラフトチャンネル」で大商大硬式野球部の練習に密着。強さと育成力の要因を調査した。

 グラウンドには常に緊張感が漂う。最も重きを置く実戦練習。状況判断を間違えれば、仲間達から容赦ない指摘が飛んでくる。碓井雅也主将(3年=天理)は「練習から、常に緊迫した場面を想定するのが大商大。仲間同士で言い合う方が、それぞれの心に響く」と胸を張った。

 指揮官が最重要視するのが「1点の重要性」だ。守備ではいかに1点を防ぐか、攻撃では、どう1点をもぎ取るかを反復する。今秋ドラフト候補の最速148キロ左腕・伊原陵人投手(3年=智弁学園)は「常にプレッシャーをかけながらなので、試合と同じ感覚で練習できている」と言う。冬の期間はケース打撃、投内連携などがメインメニュー。打撃練習、投球練習などは自主練習で補う。

 意識の高さが数多のプロ選手を輩出する要因でもある。主将は「グラウンド以外でも、生活は野球が中心。そういう部分もあると思う」と分析する。伊原は「プロ選手が多いことは、後輩としても刺激になる。恥じないように、自分たちのレベルも高めていく必要がある」と表情を引き締める。伝統は後輩達にも脈々と受け継がれている。

 昨秋は龍谷大が優勝。大商大の連続優勝は4季でストップした。「大商大は負けが許されない。相手がどこでも、負けないことを意識しています」と碓井主将。まずは関西六大学の覇権を取り戻し、まだ見ぬ全国の頂に向けて、厳しい練習を積む。

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2022年2月27日のニュース