ロッテ・朗希 3回を完全投球7奪三振 西武打線を手玉「いろいろと試せて、いいボールも多かった」

[ 2022年2月27日 05:30 ]

練習試合   ロッテ4―2西武 ( 2022年2月26日    春野 )

<西・ロ>ロッテ先発の佐々木朗(撮影・西尾 大助)
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 ロッテ・佐々木朗希投手(20)が26日、西武との練習試合に先発し、3回無安打無失点、7奪三振の完全投球。19日の日本ハム戦で自己最速タイの163キロをマークしていた怪物右腕は、球場の球速が表示されないアクシデントもあった中で、“狙っても打てない直球”で高知のファンを沸かせた。開幕へ向けた調整は順調。次回登板は3月6日のソフトバンク戦(ペイペイドーム)が有力だ。

怪物が覚醒する。そんな「夜明け」を高知のファンは確信しただろう。中6日で今季2度目のマウンドに上がった佐々木朗は、それだけ圧倒的な存在だった。

 「前回よりも真っすぐの質とかコントロールだったり、あとは変化球も多かったが、いろいろと試せて、いいボールも多かった」

 スタンドに集まった2704人は、まずは肩透かしを食らった。怪物は今季初実戦で2回無失点だった前回19日の日本ハムとの練習試合で自己最速タイの163キロを記録。プロ入り後の公式戦では159キロが最速だったが、全26球中16球が160キロ以上だった。中6日で迎えた登板。記録更新に期待が集まったが、トラブルが発生した。先に登板した相手の先発左腕・隅田の球速は表示されたが、1メートル90の長身から投げ込む角度ある剛速球とスピードガンの相性は最悪。テレビ中継では最速158キロをマークも球場では最後まで球速が表示されなかった。

 それでも佐々木朗は「投球に影響はなかった」と振り返る。全42球中、直球は24球だが打球がフェアゾーンに飛んだのは2回の山川の1球だけ(中飛)。直球狙いの打者をファウルで押し込むこと6度で空振りは9度も奪った。直球が走れば変化球も生きる。「カウントによって使い分けている」というフォークは勝負球にもカウント球にもなった。打者9人と対戦し、3回無安打無失点で毎回の7奪三振。球速こそ知ることはできなかったが、ファンは西武打線を圧倒する剛速球を肌で感じることができた。

 20歳がこだわった「質」とは何か。「しっかり回転がかかって、ある程度(捕手が)構えたところにいく」と言った。前回登板と同様に序盤はシュート回転が目立ったが、2回以降は力みも消え、糸を引く軌道が現れた。昨季に1球しか投げなかったカーブで効果的にストライクを奪うなど、キャンプで取り組んできた成果も出た。

 目指すのは無双のエース。井口監督が右腕の心境を代弁した。「長い回数を投げることが先発にとって一番大切なこと。朗希の中で、三振を狙うのか、球数を減らすのか、いろいろ考えながらやっている」。なんとも、ぜいたくな悩みである。(横市 勇)

 ▼ロッテ木村投手コーチ 普段よりもマウンドが軟らかめで不安定なこともあったけど、修正能力が高くて、次第に自分の投球ができた。前回よりも余計な力が抜けていたんじゃないかな。

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2022年2月27日のニュース