日本ハム・佐藤が新庄体制第1号 指揮官の指令通り「投手ゴロを打ちにいきました」

[ 2022年2月9日 10:35 ]

<練習試合 神・日>6回2死、代打本塁打を放つ佐藤(撮影・成瀬 徹)
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 厚岸町出身の日本ハム・佐藤龍世内野手(25)が8日、沖縄・宜野座で行われた阪神との練習試合で、今季チーム第1号をマークした。2点リードで迎えた6回2死の場面で代打で出場。左中間スタンドへ運ぶダメ押しソロを放った。新庄剛志監督(50)の就任後初となる対外試合で、道産子内野手が定位置取りへ猛アピールに成功した。

 何が起こったのか分からない。打球が左中間フェンスを越えたのを確認すると、佐藤は驚きながらゆっくりとダイヤモンドを回った。代打で出場した6回2死、阪神の3番手・村上の136キロ直球を左中間へ運ぶダメ押しソロ。自身もびっくりの今季チーム第1号に「長打を狙って打ったわけではないが、結果的に打てたからよかった」と苦笑いだ。

 驚くのも無理はない。実は試合前、新庄監督から指令が出されていた。「追い込まれたら投手ゴロを打て」。カウント3―1からカットボールに空振りしてフルカウントに追い込まれると、頭の中をリセットした。指揮官の指示通り「投手ゴロを打ちにいきました」と、軽打したはずの打球がまさかの柵越えとなったのだ。

 一見、珍指令にも思われるが、実は理にかなっていた。佐藤は本塁打の直前まで振り出すタイミングが早く、泳がされていた。追い込まれた後に狙う方向が投手寄りに変わったことで、引きつけてポイントで打つことができた。「(カウント)3―1と同じスイングしていたら、やられていたと思う」と、指揮官の“魔法の言葉”に感謝した。

 新庄体制第1号。いとこの佐藤綾乃(25=ANA)が北京五輪スピードスケート女子団体追い抜きで2大会連続金メダルに挑む最中、1打席のチャンスをものにした。「どこで(チャンスが)来るか分からないので、体の準備というより気持ちを常にオフにしないように」と佐藤。内野の定位置獲りへ、アーチを連発する。(清藤 駿太)

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2022年2月9日のニュース