新庄監督 らしさ全開采配で初勝利!外野の五十幡を遊撃、万波三塁起用 内野手の野村、細川が外野

[ 2022年2月9日 05:30 ]

練習試合   日本ハム6-2阪神 ( 2022年2月8日    宜野座 )

<練習試合 神・日>ベンチで試合を見つめる新庄監督(撮影・沢田 明徳)
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 日本ハムの新庄剛志監督(50)は8日、初の対外試合となった阪神との練習試合に6―2で勝利し、初陣を飾った。内外野の守備位置をシャッフルし、場内アナウンスでのオーダー告知などの派手な采配の裏側で、試合の裏テーマを設定。守備は走者なしでも「1死三塁」を想定させ、外野手は必要ない場面でもタッチアップ阻止へカットマンに返球した。打撃や投球も若手にさまざまなミッションを与え、主力が先発した阪神を破った。

 アウトカウントを間違えていたわけではない。日本ハムの中堅・細川が3回2死二塁から糸井の平凡な中飛を捕球。そのまま内野手へ山なりのボールを返してベンチへ戻るかと思いきや、内野手へ全力送球した。そこには新庄監督の「深い意味がある」という裏テーマが設定されていた。

 指揮官は「ランナーがいないんだけど、1死三塁のイメージで。外野フライが飛んだら、外野手はタッチアップを刺しにいきなさいという練習。意識だけでも大きいと思う。試合でも意味のある練習をさせています」と明かした。貴重な実戦の場で、一つでも多くのことを伸び盛りの若手に経験させたかった。

 昨季12球団ワースト1207三振を喫した打撃でも各状況でテーマを設定した。2ストライクまでは積極的に打つよう指示。初回は初球を左前打した1番・杉谷に始まり、ストレートの四球で歩いた万波以外の7人が追い込まれるまでにスイングし、3点を奪った。追い込まれてからは当てるだけの感覚で軽打するペッパー打法を指示。6回には佐藤がフルカウントから軽打で左越えへ一発を放ち「ペッパーで入っちゃった感覚が凄く大切」と指揮官。課題の三振は6個にとどまった。

 予告したガラガラポンスタメンは「故障しちゃったので」と野手は連日夜間練習を行っていた選手から選出した。試合直前まで通達せず、場内アナウンスで発表。ともに外野の五十幡を遊撃、万波を三塁へ、内野手の野村と細川を外野にするなど、内外野をシャッフルした。打順も俊足の五十幡が4番などいびつで、布陣が読み上げられるたびに選手たちは盛り上がった。外からでも分かる派手な演出と、緻密な裏テーマを両立させていた。

 テンポアップを求めた投手陣は、6投手の継投で試合時間2時間57分で2失点にまとめた。不慣れな守備位置で臨んだ野手も無失策と相乗効果が表れた。初陣の改革案に選手も躍動し、「変わってきていますね」と手応えを口にした。(東尾 洋樹)

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