高校生が自ら資金募り“引退試合”開催 「同じ気持ち」の全国の3年生集めて青春のラストゲーム!

[ 2022年2月5日 05:30 ]

オンラインミーティングの様子。上段右が松本崚生さん、中段右が東達哉氏

 大塚(大阪)の硬式野球部を引退した3年生が中心となり、コロナ下で満足に野球部での活動ができなかった全国の3年生を自主的に集め、3月23日に大阪府堺市のくら寿司スタジアム堺で“ラストゲーム”を開催することが4日、わかった。昨年12月末から運営費をクラウドファンディングで募り、1月27日に目標の50万円を大きく上回る59万5000円を集めた。

 壮大な夢が形になる。大塚の松本崚生(りょうせい)さんが実行委員長を務め、大阪の高校3年生6人で進める「BUKA Dream Match」プロジェクト。コロナ下で高校野球にけじめをつけることができなかった選手のために全国から高校3年生の元野球部員を集め“ラストゲーム”を開催する。

 立ち上げのきっかけは、アピール機会の消失だった。昨年の春季大会後、コロナ下で大阪の公立校は夏の大会開幕1週間前まで対外試合禁止。公式戦でベンチ入りしたことがなく、最後の夏に懸けていた松本さんはメンバーに漏れた。当初、自校だけで引退試合をする予定だったが、東海大相模、星稜などが夏の大会を辞退。「同じ気持ちを持っている全国の高校3年生がたくさんいるんじゃないかと。それなら“大会”をつくろう」と始動。週に1度のミーティングを重ね、企業などでプレゼンも行った。目標金額に達しなければ開催しない不退転の決意で臨み見事に到達。昨夏まで同校監督を務めた同企画のスペシャルアドバイザー・東達哉氏(36)は「子どもたちが自分たちでやるという新しい文化になってくれれば」と期待する。

 この企画は日本高野連とは関係がなく当日は卒業式後とはいえ、同連盟規定に抵触することのないように、備品は全て自前で調達。準備、運営は全てプロジェクトメンバーが行う。高校生の、高校生による、高校生のための野球大会。もう一つの“高校野球”が熱いドラマを演じる。

 【参加選手を募集中】大会では3試合を計画。思い出をつくる「フレンドマッチ」、本気でプレーをしてけじめをつける「チャレンジマッチ」、大学などで野球を続ける人たちがハイレベルで争う「エキスパートマッチ」で構成される。松本さんは「人それぞれ、どういうふうな気持ちを持っているかは違うと思う」とクラス分けの意図を説明した。ホームページで参加選手募集中。https://docs.google.com/forms/d/1YI4K9sjYEXaATNIaVHXjV3R9cvlfXJQtM-6zRorBJ6I/edit。インスタグラムの公式アカウントbuka _dream_matchからもアクセスできる。

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2022年2月5日のニュース