オリックスの五輪金コンビが日本一の誓い!由伸「個人の記録よりチームの勝利」吉田正「ベストを尽くす」

[ 2021年11月13日 05:30 ]

パCSファイナルS第3戦   オリックス3ー3ロッテ ( 2021年11月12日    京セラD )

パCSファイナルS<オ・ロ(3)>記念撮影で笑顔を見せるオリックスナイン
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 歓喜の輪の中で、次の目標を見据えた。無観客でのリーグ優勝決定とは大きく違う感激だ。ファンの目の前で戦い抜いての笑顔。オリックスのエース山本が熱い思いを口にした。

 「きょう決めてくれると思っていた。シリーズに出ることが決まった。日本一で終われるよう、精いっぱい、腕を振っていきたい」

 右腕がつくった流れに、チームは完全に乗った。初戦の1―0完封からロッテを圧倒して、無傷のままCSを突破。「初戦は緊張感があったけど、初めてなんだし、思い切って投げることだけに集中できた」と圧巻の投球がチームに刺激を与えた。大黒柱がすべての歯車をスムーズに回転させた。

 ペナントレースで15連勝フィニッシュ。そしてCSを合わせて現在16連勝中。その起点が5月28日の京セラドーム。相手はヤクルトだった。「そうでしたね。とにかく個人の記録より、チームの勝利を一番にシリーズに臨みたい。その上で連勝を続けることができればうれしい」とヤクルトとの再戦に胸を膨らませた。もちろん、エースとしてシリーズ開幕戦へ完ぺきな準備を整える。その覚悟はCS突破とともに定まった。

 CS3試合で10打数3安打と右手首骨折から完全復帰した吉田正も初挑戦の大舞台へ気合をみなぎらせた。「まだ自分の思い描くようなスイング、打球にはほど遠い。でも出る以上、責任をもってベストを尽くす」と宣言。東京ドームではDHではなく、守備にもついて、チームを引っ張る決意だ。「日本一に向けて必死に戦う。そのために準備する」。東京五輪金メダルコンビが、再び頂点へ挑む。(鈴木 光)

 ▽オリックス95年の日本シリーズ 仰木監督が率いて84年以来11年ぶり11度目のリーグ優勝を果たし、野村監督のヤクルトと対戦。第2戦から3戦連続延長戦の接戦となった。シーズン首位打者のイチローが徹底マークされ、初戦から2―5、2―3、4―7の3連敗。後がない第4戦、延長12回にD・Jが勝ち越し本塁打。2―1で制して一矢報いる。第5戦は初回、イチロー待望の先制ソロも1―3の逆転負け。1勝4敗で敗退した。なおオリックス中嶋監督とヤクルト高津監督はともに当時現役。中嶋は1~3戦に先発マスク。第4戦は8回代打出場から捕手を務め、11打数2安打の打点なし。高津は1、3、5戦のクローザーで、4回を1安打無失点の1勝2セーブ。胴上げ投手になった。2人の対戦は第3戦に1度だけ。4―4の延長10回1死走者なし、フルカウントから中嶋が四球を選んでいる。

 ▽オリックス96年の日本シリーズ 2年連続リーグ優勝の仰木オリックスは、11.5ゲーム差逆転V「メークドラマ」の長嶋巨人と対戦。初戦の延長10回、イチローの決勝ソロで4―3の接戦をものにすると、第2戦を2―0の零封リレー、第3戦は2回までに5点を奪って、5―2の逃げ切りで王手。第4戦こそ1―5で敗れたが、第5戦は1点を追う3回2死満塁からの一挙5点で勝負を決め5―2。4勝1敗で77年以来19年ぶり4度目の日本一に輝いた。

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