オリ史上初サヨナラドローで25年ぶり日本シリーズ!予定外の胴上げ「ファンの前でやれたのは良かった」

[ 2021年11月13日 05:30 ]

パCSファイナルS第3戦   オリックス3ー3ロッテ ( 2021年11月12日    京セラD )

<オ・ロ>日本シリーズ進出を決め、胴上げされる中嶋監督(撮影・後藤 大輝)
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 パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(S=6試合制)の第3戦は12日、レギュラーシーズン優勝のオリックスが3―3で同2位のロッテと引き分け。アドバンテージを含む3勝1分けとし、25年ぶりの日本シリーズ出場を決めた。2―3の9回無死一、二塁から途中出場の小田裕也外野手(32)が一塁線を破る同点タイムリー。史上初のサヨナラ引き分けでの進出となった。

 歓喜の瞬間が待っていた。安達に呼び込まれる形でマウンド付近へ向かった中嶋監督は、3度宙を舞った。予定にはなかった胴上げ。「オレがやったらアカンって、もう。やらないって言っていたのに。まあ、でもファンのみなさんの前でやれたのはよかったですね」。土壇場で試合を引き分けに持ち込み、アドバンテージを含めて3勝1分けとし96年以来25年ぶりの日本シリーズ進出。劇的な結末を呼び込んだのは間違いなく中嶋采配だった。

 2―3の9回だった。先頭のT―岡田が右前打で出塁。続く安達が初球をバントファウルした2球目、強攻に切り替えて三遊間を破り好機拡大した。無死一、二塁で、打席には今季公式戦でわずか1安打の小田。主に守備固めと代走を担っており、セオリーならバントが濃厚の場面だった。初球、バントの構えからバスターを敢行。バントを警戒して前進した、一塁・三木の左脇を抜けていった。コロナ下で延長戦がない特別ルールが生んだ、史上初のサヨナラ同点打だった。指揮官は賛辞を惜しまない。

 「同点サヨナラという体験したことのない形だったけど、普段の追いかける立場の試合を普通にこなしていた。選手を信じて、つながることを頭に入れながら。最高の結果になってよかった。バントの頭もありましたが、向こうの守備もあるし考えながら。難しい場面のはずだけど、簡単に決めた選手が凄い」

 合言葉は「全員で勝つ」。2者連続の強攻策には、強気な姿勢を貫いて2年連続最下位からの大逆襲を実現した指揮官の“本気度”が凝縮されていた。

 20日からは、オリックスの選手として95年に苦杯を喫したヤクルトとの頂上決戦に臨む。新人監督の日本シリーズ進出は15年ヤクルト・真中監督とソフトバンク・工藤監督以来18人目で、球団では阪急時代を含めて史上初の快挙だ。

 日本シリーズは第6、7戦がほっともっと神戸で開催される予定。「初戦が京セラなので、まず勝って。神戸で決めたい気持ちもあります。全員でやっていきます!」。96年以来25年ぶりの日本一へ。飛躍したナインを信じ、シーズン同様に総力戦で頂点をつかみにいく。(湯澤 涼)

 《指揮官に“力の源”》中嶋監督の“力の源”が届いた。25年ぶり優勝を記念して、京セラドームに三和酒類から麦焼酎「いいちこ」の「下町のナポレオン」「下町のハイボール」の2種40ケースが指揮官宛に到着。いいちこのウィルキンソン割りを愛飲する指揮官だが、無敗でCS突破したこの日ばかりは「ストレート」が味わい深いかもしれない?

 ▼オリックス安達(2―3の9回無死一塁から左前打)バントを予想していただろうから真っすぐが来ると思っていた。狙い通りだった。

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2021年11月13日のニュース