ヤクルト先発・原　負傷降板も盤石投手リレー、2回1死からチーム一丸5人つないだ

セCSファイナルS第3戦   ヤクルト2ー2巨人 （ 2021年11月12日    神宮 ）

＜ヤ・巨＞2回1死、大城の打球が直撃し倒れ込む原（下）（撮影・光山　貴大）
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　チーム一丸。今季のヤクルトにピタリと当てはまる言葉だ。この日もブルペン陣が一つになり、序盤のアクシデントを乗り越える。高津監督も強固になったバッテリーを絶賛した。

　「（原）樹理のアクシデントが凄く大きかった。金久保であり、リリーフピッチャーであり。しっかりリードした我慢強い中村も、大きく成長した」

　2回1死。大城の打球が先発・原の右手を直撃。苦悶（くもん）の表情を浮かべ、トレーナーとともにベンチ裏に消えた。「第2先発」要員の金久保に声が掛かる。急ピッチでキャッチボールを始め、駆け足でマウンドへ。1死一塁から広岡、松原を抑えた。

　5回まで3回2/3を4安打1失点の好投。「緊急登板でしたが焦ることなく投げられた」と金久保。試合を落ち着かせることに成功すれば、後ろにはレギュラーシーズンでセ・リーグ新記録の149ホールドを樹立したリリーフ陣が控えていた。

　「チェンジ」と「チャレンジ」があった。4年ぶりに復帰した伊藤投手コーチは、昨季より10％の向上を目指し「いろんなことにチャレンジ。結果はどうであれ、トライして」と意識改革を訴えた。目先の結果だけにとらわれない姿勢が、昨季12球団最下位のチーム防御率4・61の投手陣の姿を一変させた。

　9回2死。マクガフが代打・中田を空振り三振。守護神を中心に歓喜の輪は広がった。（川手　達矢）

　≪3戦で2失点≫ヤクルトの今CSの失点は第1戦から0→0→2でわずか2失点。プレーオフ、CSファイナルSのチーム失点数としては、06年プレーオフ第2Sの日本ハムの1失点に次ぐ少なさ。CSとなった07年以降では13年巨人、18年広島、今季オリックスの各3失点を抜く最少失点だ。