ヤクルト 6年ぶり日本シリーズ!39歳・青木が主ヤク2点打、逃げ切りドローで巨人“スイープ”

[ 2021年11月13日 05:30 ]

セCSファイナルS第3戦   ヤクルト2ー2巨人 ( 2021年11月12日    神宮 )

<ヤ・巨>7回2死満塁、適時打を放った青木はガッツポーズ(撮影・篠原 岳夫)
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 セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)のファイナルステージ(6試合制)第3戦は12日、ヤクルトが2―2で巨人と引き分け、3勝1分け(1勝のアドバンテージを含む)で15年以来6年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。青木宣親外野手(39)が0―1の7回、左前に値千金の2点適時打。巨人の反撃を1点にとどめた。20日からの日本シリーズで、オリックスと激突。史上初めて前年最下位同士の対決となる。

 興奮したナインから頭をバシバシ叩かれた。野手最年長39歳の青木が手荒い祝福を受ける。でも痛くない。アドレナリン全開。悲願の日本シリーズ進出を、自らのバットでたぐり寄せた。

 「みんながつないでくれたチャンス。何とかしたかった。初球から甘い球は迷わず打っていこうと決めていた。最高の場面で打つことができて良かった」

 0―1の7回2死満塁。息詰まる展開で4度目の打席が回ってきた。「久しぶりにドキドキした」。マウンド上には3番手の左腕・中川。その代わりばな、初球の直球を叩いた。左前へ逆転の2点適時打。ベテランは一塁ベース上で吠えた。

 前回チームが優勝した15年当時は大リーグ(ジャイアンツ)でプレーしていた。ヤクルト在籍12年目でたどり着いた自身初の優勝から6日後の今月1日。レギュラーシーズン最終戦後のミーティングで、選手一同から高津監督に巨大なシャンパンを贈った。音頭を取ったのは青木だ。感謝の思いを込めたナインのサインを書き込んでプレゼント。指揮官は「日本一になって飲みましょうね」と照れくさそうに受け取った。

 高津監督が絶大な信頼を置くベテランはバットだけでなく、率先して声も張り上げてきた。日本球界に復帰した18年以降、勝利への執念をナインに見せてきた。ヘッドスライディングも辞さない。試合終盤にベンチに退いても、途中出場する選手のキャッチボール相手を務める。青木が求めてきたベンチの一体感が、今のヤクルトにはある。

 「優勝はもちろんうれしかったけど、自分の中でそれだけでは物足りないという気持ちが芽生えていたので」。プロ野球最高峰の舞台で、目指すは20年ぶりの日本一。それだけが、39歳のベテランの渇望を満たす。(青森 正宣)

 ≪オリックスと史上初の前年最下位頂上決戦≫ヤクルトが15年以来8度目の日本シリーズ出場を決めた。対戦相手はオリックスとなり、前年最下位同士の日本シリーズ対決は史上初だ。また、オリックスとの対戦は、78年(阪急)と95年と、前身球団時代も含め3度目で、過去2度はいずれも勝っているが今回はどうか。

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2021年11月13日のニュース