鈴木啓示氏 オリックスは最下位からはい上がったハングリーさが接戦での力に

[ 2021年11月13日 05:30 ]

パCSファイナルS第3戦   オリックス3ー3ロッテ ( 2021年11月12日    京セラD )

本紙評論家・鈴木啓示氏
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 【鈴木啓示 視点】勢いだけではない。勝負強さ、粘り強さを戦いながら、身につけていったオリックスの力を感じさせた日本シリーズ進出だ。1点を追う9回、T―岡田が右前打で出塁すると、安達が初球にバントでファウル。2球目に強攻に切り替え、シフトの裏をかく左前打で無死一、二塁。さらに、この日初打席の小田もバントと見せかけ、バスターを成功。中嶋監督の攻撃精神に選手が見事に応えた。

 思いきりのいい野球を貫いた。ノビノビ野球とはまた違う。勝つために努力と工夫を積み重ねた上で、持っているものを全て発揮した。投手はしっかりと腕を振り、打者はスイングに集中する。結果を恐れずに、戦う姿勢が結果につながった。

 7番手で起用された12年目のベテラン増井が、9回2死一塁で和田を見逃し三振に封じ、攻撃へのリズムをつくったのも光った。スタンドとの一体感も強く感じた。大黒柱・山本だけのチームではない。最下位からはい上がったハングリーさが接戦での力になっている。面白いシリーズになりそうだ。(スポニチ本紙評論家)

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2021年11月13日のニュース