28年ロサンゼルス五輪で野球復活へ 日米頂上決戦が追い風に

[ 2021年8月8日 05:30 ]

東京五輪第16日 野球決勝   日本2―0米国 ( 2021年8月7日    横浜 )

<日本・米国>胴上げされる稲葉監督(撮影・会津 智海)
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 08年北京五輪以来3大会ぶりに復活した野球・ソフトボール。次回24年パリ五輪では除外されるため、視線は28年ロサンゼルス五輪での復活へ向いている。野球の本場・米国での開催。球場施設の問題は、ドジャースタジアム、エンゼルスタジアムと2つの立派な箱を備える。パリ五輪で野球を実施するには新たな野球場を建設する必要があり、IOCの進める予算削減方針下でネックとなった。

 一方で1チーム24人と多い選手枠は、総選手数を限定する現状の方針にはそぐわないままだ。今大会は出場チーム数を8から6へ減らして対処したが、出場チームの半分がメダルを獲得することを疑問視する声もあった。

 世界的な普及という最大の課題も残る。世界野球ソフトボール連盟(WBSC)は7月1日にブータンとサウジアラビアの加入を認め、加盟する国や地域は141に増えた。ただ、サッカーやバスケットボールの統括団体への加盟数は世界で210を超え、野球振興に尽力するソフトバンクの王貞治球団会長も「サッカーと違い、世界中で行われているスポーツではない。経済面も含めてみんなで支えようとならないと難しい」と現状を語る。

 金メダルを獲得した女子ソフトボールとともに米国との決勝。侍ジャパンの山中正竹強化本部長は競技復活という点で「米国との決勝戦になって良かったのでは。2大大国が争うことがロス五輪での復活へ大きなきっかけとなる」と期待する。28年ロサンゼルスに続き、32年夏季五輪も野球が盛んなオーストラリアのブリスベン開催が決まった。追い風はある。(NPB担当・後藤 茂樹)

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2021年8月8日のニュース