侍・村上 千金V弾!3回先制1号「チームで取った1点」

[ 2021年8月8日 05:30 ]

東京五輪第16日 野球決勝   日本2―0米国 ( 2021年8月7日    横浜 )

<日本・米国>3回、先制ソロを放つ村上(ロイター)

 最年少侍が日本球界の夢を乗せたアーチを描いた。一塁を回った村上が両手を合わせ、雄叫びを上げる。3回1死。左中間最前列に先制ソロを運んだ。

 「あの1点は凄く、自分の中でもうれしい1点だった。チームで取った1点だと思う」

 三塁手が二遊間に就く「村上シフト」を敷いた米国をあざ笑うような豪快な一発だった。2―2から外角のチェンジアップを完璧に捉えた。これなら、誰がどこを守ろうと関係ない。緊迫した展開で21歳の今大会初本塁打が均衡を破った。

 東京五輪が1年延期となり、村上は侍になった。「去年開催されているなら僕自身ないな、と。延期になり、去年(20年)ある程度結果を残せて。あとはしっかり守備をやるだけだなと思っていた」。今春キャンプ。首脳陣に三塁挑戦の意向を示した。積極的に居残り特守にも励んだ。

 昨年までは失策の多さから一塁での出場が主。守備が向上した今季はここまで三塁での先発出場が76試合(一塁は7)。「三塁は長年の課題です」と苦心していた稲葉監督も、チーム唯一の三塁手として選出した。全5試合で「8番・三塁」として先発起用された。

 座右の銘は「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」。九州学院時代、当時の坂井宏安監督に教わった。辞書を引き「将来のために苦労を重ねること」と意味を知った。同学年は清宮(日本ハム)、安田(ロッテ)ら。プロ入り時の注目度は劣っていたが「心の奥底で“同じ世代の誰よりもできる”という思いはあった」。7回2死三塁。米国は2ボール後、村上を申告敬遠。今や代表でも存在感を放つ。

 歓喜の輪に飛び込んだ村上は、ヤクルトでもチームメートの山田をお姫様抱っこ。「たくさんの一流の先輩方と野球をして、誇りに思います」。近い将来、日本代表の中心に座る。(川手 達矢)

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2021年8月8日のニュース