侍・山田 宿敵キラーだ!19年プレミア12に続き千金打で韓国撃破!96年アトランタ以来の決勝進出

[ 2021年8月5日 05:30 ]

東京五輪第13日 野球準決勝   日本5―2韓国 ( 2021年8月4日    横浜 )

<野球 日本・韓国>8回2死満塁、山田は適時二塁打を放つ(撮影・小海途 良幹)
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 侍ジャパンは4日、準決勝で宿敵・韓国を撃破。1次リーグから4戦全勝で96年アトランタ五輪以来となる決勝進出を決め、銀メダル以上を確定させた。2―2で迎えた8回2死満塁、山田哲人内野手(29=ヤクルト)が走者一掃の左中間二塁打を放った。正式競技としては初の金メダルを懸け、韓国と米国が戦う5日の敗者復活3回戦の勝者と、7日に顔を合わせる。

 またしてもこの男が宿敵を打った。同点の8回2死満塁。山田が日本を決勝に導いた。

 「めちゃくちゃ緊張していた。いい結果になってガッツポーズしました」

 初球の真ん中低めの直球を左中間フェンス最上部にぶち当てた。走者一掃の二塁打。総立ちの三塁ベンチに向かい、右拳を誇らしげに突き上げた。19年の韓国とのプレミア12の決勝戦でも2回に逆転3ランを放っていた。

 開幕とともに調子を上げた。7月31日のメキシコ戦では今大会チーム1号となる3ラン。4試合目にして、初めてDHではなく「1番・二塁」で先発出場した。「DHとは多少違うが慣れているポジションなので違和感なくできました」。3回には先制点につなげる犠打。レギュラーシーズンでは14年を最後に犠打がなく、日本代表では17年WBCの準決勝の米国戦で決めて以来の送りバントだった。

 山田にとっての日韓戦。「正直言うと、野球よりもサッカーのイメージが強いんですよね」と打ち明ける。小2から野球を始めたが、最初に習ったスポーツはサッカーだった。幼少期から、ずばぬけた運動神経の持ち主。小1時には地区大会で得点王に輝き、紙製の金メダルをもらったこともある。「僕が運動が好きだったので。いろんなことを小さいときに経験させようと思いまして」と父・知規さんの考えがあった。

 サッカー以外には、水泳と空手も経験。身体能力を高めプロ野球選手となった今は、東京五輪の金メダルを目指している。そして、最大のライバルを撃破。「僕はもう2年前(のプレミア12)のことは忘れている。五輪は五輪で新たな気持ちで。油断しないように。それがたまたま韓国戦だった」。クールに振り返ったが、中盤に同点とされた重苦しい空気を消し去った。

 頂点まで、あと一つ。「ここに立てることは凄い幸せ。感謝の気持ちでいっぱい。金メダルに貢献できるプレーをしたいなと思います」。日本中の夢を山田が実現させる。(川手 達矢)

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