新井貴浩氏 攻守で視野の広さ光る甲斐こそキーマン

[ 2021年8月5日 05:30 ]

東京五輪第13日 野球準決勝   日本5―2韓国 ( 2021年8月4日    横浜 )

<日本・韓国>8回、決勝点となる山田の3点二塁打で生還し、ガッツポーズして喜ぶ甲斐(AP)
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 もちろん、決勝打の山田は素晴らしいが、誰か一人ではなく、全員でつかんだ勝利だ。個の力ではなく、和の力。稲葉監督が求めてきた団結力が大一番で形になって表れた。

 【新井貴浩の目】8回の韓国の攻撃は3番・李政厚から。しっかり抑えれば流れが来るとみていた。伊藤は7回も2番・姜白虎を直球勝負で3球三振に退けるなど1~3番を分断し、回をまたいで役割を果たした。

 一発勝負の大舞台。経験を重ねるほど開き直れない。どうしても慎重になってしまう。山本ほど素晴らしい球を持っていてもだ。伊藤が打てるものなら打ってみろ…と思い切って腕を振れるのは、いい意味で怖さを知らないから。ロジンの付けすぎを指摘されても、気にしない。若い力がうまくはまった。

 攻守でキーマンになっているのは甲斐だ。1巡目は打者の内角を速球系で徹底して突いた。考えているのは、目の前の1打席のことだけではない。打者からすれば、序盤で植え付けられた内角の残像は1試合を通じて残る。しっかり投げ込んだ山本もさすがだった。

 この布石がのちのち効いた。1点勝負の終盤。伊藤には内角要求がほとんどなかった。つながりのある配球で好調な打線を2点に封じた。

 攻撃でも8回に選んだ四球が決勝点を呼んだ。3ボールからの待ちはベンチの指示と思う。カウント3―1になってからは、自分の判断でもう1球待ったように見えた。次につなげるためにフルカウント勝負でもいいという姿勢。攻守で視野の広さが光った。(スポニチ本紙評論家)

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