日本ハム・中田 天敵の楽天・マー君から先制3ランも危機感「毎朝、嫌な気持ちに…」

[ 2021年2月21日 05:30 ]

練習試合   日本ハム6-3楽天 ( 2021年2月20日    金武 )

<楽・日>初回1死一、二塁、先制3ランを放った中田(撮影・高橋 茂夫)
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 日本ハムの中田翔内野手(31)が20日、楽天との練習試合に「4番・一塁」で先発出場。8年ぶりの日本復帰登板となった楽天・田中将大投手(32)から初回に先制3ランを放った。今季実戦出場3試合、6打席目で飛び出した初安打が待望の一発。交代後に球場内で遭遇した相手エースにはどや顔を見せたが、改めて今後の対戦に危機感を口にした。

 田中将からの本塁打は、プロ初対戦の10年8月8日以来3849日ぶりだった。10~13年の対戦で54打数10安打の打率・185と苦手としていた中田は、交代後に球場内で田中将と遭遇すると、本塁打を放った興奮からか「田中さん、お久しぶりで~す」と上機嫌であいさつ。田中将いわく「余裕な笑み」でのあいさつだったという。しかし、一発を放ってダイヤモンドを一周する中田は強い危機感を覚えていた。

 初回、中島、西川の連打で1死一、二塁。中田はカウント2―2からスライダーに泳がされながらも左手一本ですくって左翼芝生席へ放り込んだ。それでも本塁打の喜びどころか、今後の対戦を想像し「正直何も喜びはない。シーズンに入ったら、“こんな所に投げてくれないよな”って思いながら一周していた」と苦笑交じりに明かした。

 「連打はほぼあり得ない投手。球速ももっと上がるだろうし、決めにくるスプリットの速さ、落ち具合も変わってくる。スライダーも打てる所に投げてくれない」。13年までは「手も足も出ない」とこてんぱんにやられた記憶があるだけに、「6割」の投球と感じた田中将からの一発にも笑顔はなかった。

 試合前も起床時から球場に着くまで、田中将との対戦を想像し「“嫌だな”と思っていた」と正直な気持ちを吐露。今後についても「毎朝、嫌な気持ちになるんだろうな…」と話した。それでも優勝を争う同一リーグのエース。「ここぞという時の一発、1スイングが大事になってくる」と数少ない好機での一打を思い描いた。

 栗山監督も田中将から得点を奪ったものの、「点を取れなきゃ取れないで心配するけど、取ったら取ったでシーズン中きっと苦しいよなって見ていた」と告白した。それだけの好投手。「うちの選手の集中力、雰囲気も違っていた」とし、「これでプロ野球、パ・リーグも盛り上がる。必死になって勝てるように努力していく」と力強く話した。

 楽天とは3月26日からの開幕カードで激突。そして、中田の一発が相手エースの闘志に火を付けたのは間違いない。(東尾 洋樹)

 ▽田中将と中田の過去の対戦 初対決は高校時代。05年8月19日、夏の甲子園準決勝。駒大苫小牧2年だった田中将が先発し大阪桐蔭1年の中田と対戦。1打席目は三ゴロ。5回の第2打席では、内角高めの直球にお互いににらみ合う場面もあり、最後は空振り三振など3打数1安打だった。プロ初対戦は08年2月24日、沖縄・名護での練習試合。プロ1年目の中田が、138キロスライダーで空振り三振。田中将は「周りが騒いでいたので意識はした。中田君以外の質問はないですか?」とピシャリ。1四球の中田は「負けたと思っていません。四球は打者の勝ち」と言った。公式戦は10年8月8日に初対戦。1打席目から空振り三振、一飛。8回に中田が左翼席へソロを放ったが、田中将はプロ初の無四球完投勝利。

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