「鬼」の居ぬ間に三塁アピール 阪神・佐藤輝が好守連発 背番号8の先輩にも「対応力」見せた

[ 2021年2月21日 05:30 ]

練習試合   阪神4ー9中日(特別ルール) ( 2021年2月20日    北谷球場 )

<中・神>3回無死、大野奨のゴロをさばく阪神・佐藤輝(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 阪神のドラフト1位・佐藤輝明内野手(21=近大)が20日、中日との練習試合(北谷)で3試合続けて三塁に就き、好守を連発した。打撃でも初回1死二塁から中前へ先制打。追い込まれてからの対応力を改めて見せつけた。「背番号8」の前任者、中日・福留孝介外野手(43)と3番で初競演し、後継者にふさわしい資質を攻守で披露した。

 打球処理がなかった前回18日のDeNA戦から一転、佐藤輝は4度のゴロを軽快にさばいた。「4番・三塁」を確実視される大山が腰背部の張りで一時的に“不在”の中、近大2年春から本職とする三塁で魅せた。

 「強い打球が多くなる感じ。難しい打球とかもあったんで、しっかり準備していきたいです」

 2回に大野奨の詰まったゴロを落ち着いて処理したのを皮切りに見せ場は何度も訪れた。6回1死では高橋周の三塁線への鋭い打球を、足を滑らせるように逆シングルで捕球してノーバウンド送球で間に合わせた。7回は滝野の三塁線への難しい打球にバウンドを合わせながら再び逆シングルで押さえ、正確な送球で間一髪のタイミングを制した。

 「三塁線の打球も逆シングルで捕った方が次も投げやすいんで」

 初披露の“技”に涼しい顔だ。当初は外野に軸足を置き、三塁への本格参戦は大山にアクシデントがあった第3クール半ばから。特守は2度だけ。CS放送で解説を務めていた川相臨時コーチを「逆シングルは練習では見せない」と驚かせ、「柔軟に対応している。ちゃんと集中して、能力があるからできる」と称賛された。

 打撃でも初回1死二塁で追い込まれてから2度のファウルでフルカウントまで持ち込み、8球目に松葉の直球を中前適時打。対外試合4試合で7打点目を挙げた。計10安打のうち実に6本が2ストライク以降。単なる長距離砲にとどまらない能力を見せつけた。

 試合前練習では福留と初対面した。「ほんのちょっとですけど、あいさつできて良かった。打席中の雰囲気も違って、すごく雰囲気がありました」。同じ3番で出場し、好守で示した存在感。本番での再会を心待ちにした。 (阪井 日向)

 ▼阪神川相臨時コーチ 今後練習をもっとやって下地をしっかりした中で、彼の持っているものをどんどん生かしていけば、すごく良くなると思います。

 ▼阪神井上ヘッドコーチ 不器用そうに見えて、結構器用だから。外野だろうと内野だろうと、まずまずいける。これから試合を積んでいく上でミスも出るだろうけど、経験を積ませてあげることが今は一番。

 ▼巨人横川スコアラー (守備は)見た目より動けるし器用。(打撃は)どっちかというと遠くに飛ばす打者はリストでヘッドを返したがるんだけど、(佐藤輝は)バットをラインに入れるのが上手。ヘッドを返さない。それでもって距離がでるのはすごい。あれができるから変化球も振らない。

 ▼広島岩本スコアラー 難しいバウンドもグラブさばきが柔らかくて、捕球してアウトにしていたので、思った以上に実戦でもうまく動いているのかなと感じていた。対応力があるんじゃないかと感じます。

 

続きを表示

この記事のフォト

2021年2月21日のニュース