楽天・マー君 2666日ぶり日本で実戦登板 2回3失点も圧倒的オーラ

[ 2021年2月21日 05:30 ]

練習試合   楽天3-6日本ハム ( 2021年2月20日    金武 )

<楽・日>スプリットを投げる田中将(撮影・長久保 豊)
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 楽天に8年ぶりに復帰した田中将大投手(32)が20日、実戦初登板となる日本ハムとの練習試合に先発した。中田翔内野手(31)に左越え3ランを許し、2回を4安打3失点。まだ試運転ながら、直球は最速148キロをマークした。13年の日本シリーズ第7戦以来2666日ぶりの復帰登板。一発を放った昨季パ・リーグ打点王は、マウンドから感じた圧倒的なオーラの存在を口にした。

 課題は出た。それこそが収穫だった。軟らかいマウンドに苦しみ、微妙な制球が乱れた。初回1死から4連打で3失点。復帰後、初めて打者を相手にした田中将は「凄くいい段階を踏めている」と感触を口にした。

 直球は最速148キロ。「自分が思っていたより出た」と明かした。7年間過ごしたヤンキースでは、まだキャンプイン直後のこの時期。小山投手コーチには「145キロぐらいしか出ないかな」と話していた。

 キャンプ合流から2週間。この日の実戦登板は自ら決めた。「早め早めにいろんなことを感じたかった。収穫しかないです」。ボール、マウンド、打者のアプローチなど。日米の異なる環境で、いち早く適応法を探るためだった。

 結果が伴わないのは想定内。一方で、甘く入ったスライダーを左翼席に運んだ1歳下の宿敵が、田中将の存在感を口にした。「マウンドの距離が凄く近く感じた。メジャーでの活躍を見ているので、なおさら圧迫感があった。そう感じるのは田中さんだけ。凄くオーラがある」。高校時代から対戦を重ねた2人。プロ通算は54打数10安打の打率・185で1本塁打。本塁打は10年8月8日のプロ初対戦以来、11年ぶりだった。

 お互い出番を終え、試合中に球場内で出くわした。「“お久しぶりで~す”と笑顔で言われましたね。余裕な笑みであいさつされた」という田中将は「打つなよ!」と冗談めかして突っ込んだ。「たまたまです」と返した中田だが「これから(対戦する)毎朝、嫌な気分になる」と警戒感を強めた。

 今後について石井監督は「順調に最初のステップを踏んでくれた。十分な時間があるので。あと4回5回、登板できる時間がある」。開幕投手については「ある程度頭に描いてるが、言葉にする段階ではない。投げてない投手もいる。登板を1、2回見たぐらいで各投手に伝えていきたい」とした。

 確認作業を終えた田中将は「今日出た反省点、感じたことを生かして調整できたら」。1カ月以上先の開幕へ、得た収穫に満足げに前を見据えた。(後藤 茂樹)

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