槙原寛己氏 楽天・田中将は質の高い投球 走らない直球は実戦重ねれば良くなる

[ 2021年2月21日 05:30 ]

<楽・日>2666日ぶりにNPB球を投げる田中将(撮影・長久保 豊)
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 【槙原寛己 視点】楽天・田中将の3失点、4連打という初回の内容は、直球がまだ軸となっていないので苦しかった。直球が走らないと、スライダー、スプリットという決め球が生きてこない。ただし、それが心配なのかといえば全くそんなことはない。

 私も経験があるが、年齢的に32、33歳を迎えると、シーズンへ向け直球の力感を上げていく作業が必要。それには実戦登板を重ねるしかない。ブルペンとは違い、対外試合で投げると、次の投球からガラリと変わることがある。肩の締まり、体の張りが出てくることで、次の登板でどうなるか楽しみだし、田中将自身もそう感じているのではと思う。

 マウンドの軟らかさから投げ損じは多かった。そこもかつて経験しているので、大きな問題になるとは思わない。球数も投げられたし、フォームのバランスの良さは相変わらず。開幕へ向けて、しっかりといいステップを踏めたと思う。

 新人の早川は素晴らしかった。バランスも、テンポもいい。直球に力があり、カーブなども含めて、いつでもストライクが取れる感じ。右投手がそろう先発陣の中で、左は絶対に必要。まだこの時期だが2桁勝利は堅いのでは、と思わせる質の高い投球だった。(スポニチ本紙評論家)

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2021年2月21日のニュース