「タナキク」完全復活の第一歩 広島のカギ握る「1番・田中」「2番・菊池涼」が初の対外試合で機能

[ 2021年2月21日 05:30 ]

練習試合   広島6ー9ヤクルト(特別ルール) ( 2021年2月20日    浦添球場 )

<ヤ・広>初回 無死一塁から左前打を放つ広島・菊池涼 (撮影・成瀬 徹)
Photo By スポニチ

 リーグ3連覇をけん引したタナキクコンビが復活への一歩を刻んだ。20日のヤクルト戦(浦添)で田中広輔内野手(31)、菊池涼介内野手(30)が1、2番として対外試合初出場。初回にいきなり連打を放つと、1点を追う2回には前者がつないだ好機に、後者は同点打で応えた。河田ヘッドコーチは「何も言うことない」と絶賛。開幕が楽しみな充実ぶりだ。

 1番・田中広、2番・菊池涼の名コンビが初出場した対外試合で“つなぐ野球”の神髄を見せつけた。昨秋から重点課題として取り組みながら、若手中心の実戦では成果に乏しいチーム打撃。結果と内容で手本を示した選手会長は胸を張った。

 「調整を任されている僕らが訳の分からないプレーをしたら、若い選手は“何だ”となる。キクといい攻撃ができたのは良かった。若手には感じるものもあるだろうしね」

 1点を追う2回だ。2死から左前打を放った大盛が、田中広の3球目に二盗成功。1番打者は「しっかり打ちにいった中でうまく判断できた」と自画自賛する四球でつないだ。ここでヤクルトベンチは早くも小川から長谷川にスイッチした。

 ここで菊池涼が仕事を果たす。1ストライクからの直球を捉えて左前へ運ぶと、二走・大盛が同点の生還。今春3試合20イニング目で奪った初得点だ。送球間に三塁を陥れた田中広は、二進を狙った菊池涼がアウトのタイミングと見るや離塁して守備陣をけん制し、同点打の2番打者をアシストした。

 「何も言うことはないね。結果も内容も。走塁でもしっかり走ってくれているしね」

 河田ヘッドコーチは満足そうにうなずく。振り返ればキャンプ初日、田中広と菊池涼を室内に呼び「見本になり、まだまだチームの中心で働いてくれ」と鼓舞した。意気に感じる2人は、初回にも連打で好機を演出。菊池涼は言う。

 「走者が一塁にいたら粘ったり、右に打ったり、そういう姿勢を見せないといけない。打った打たないは結果論で、走者一塁で何ができたか。その結果の方が気になる」

 輝かしい16~18年のリーグ3連覇。その中心にタナキクはいた。コンビ解体の低調期を乗り越え、新参謀の復帰と同時に再結成をチーム内外にアピールする2人。佐々岡監督は「この1・2番コンビがつなげて中軸に回すのが理想。しっかりやってくれている」と話し、シーズン開幕後の完全復活に期待した。 (江尾 卓也)

続きを表示

2021年2月21日のニュース