阪神・西純 12球団最速の紅白戦で開幕ローテ入りアピール 2回零封、4番・大山&同期・井上を三振斬り

[ 2021年2月5日 05:30 ]

阪神・紅白戦   紅組3-3白組 ※特別ルール ( 2021年2月4日    宜野座 )

<阪神宜野座キャンプ紅白戦>2回表終了後、ベンチで矢野監督(右)と話す西純(撮影・坂田 高浩)
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 阪神は4日、12球団最速となる紅白戦を実施し、白組先発の西純矢投手(19)が2回2安打無失点、2奪三振の快投を見せた。初回には昨季28本塁打の紅組4番・大山をこの日最速145キロ真っすぐで空振り三振。高卒2年目の若き右腕が気持ちのこもった投球で猛アピールに成功した。

 ライバル球団に先駆けて実施された紅白戦。快晴の宜野座で輝いたのは、大注目の今年のドラフト1位ではなく、急成長中の昨年のドラフト1位右腕だ。

 「やっぱり打者が立ったんで力みはあったんですが、要所、要所でちゃんとしたところに投げられたんで、良かったと思います」

 白組の先発を任され、誰よりも早く実戦マウンドに立った。先頭の高山には初球の真っすぐを左前に落とされたが、続く木浪を3球目で二ゴロ。近本を左飛に打ち取り、2死一塁で対決した大山の打席が圧巻だった。

 今季も4番を任されることが濃厚な主砲を相手に、強気の投球。初球スライダーで空振りを奪うと、そこから直球の連投。2―2からの5球目、素早いクイックモーションから投じたこの日最速タイの145キロで見事、バットに空を切らせた。

 昨秋から取り組んできたツインズ・前田健太をモデルとした「マエケンフォーム」で、19歳とは思えぬ堂々たるマウンドさばき。矢野監督の言葉も、期待感にあふれていた。

 「悠輔(大山)のときだけじゃなく、走者に走られたくないときもタイミングを変えられている。力感を抑えながら球を走らせるとか、そういうことも、しっかりやろうとしているのが見える。野球の頭があると言うか勝てる投手の要素を持っているんじゃないかと思った」

 今キャンプでは遠戚の西勇にかわいがられている。まだ真っ暗な早朝から2人で宿舎周りを散歩することも。エースと一緒にいるだけでも、学べることはいくらでもある。もっとも胸に響いたのは、「苦しい時の継続力」という言葉だ。

 「早起きするとか、ご飯をたくさん食べるとか、自分にとって苦しいことはあるけど、何か一つ、それを続けるというのが大事と言われました」

 2回1死無走者では井上との同期対決にも臨み、カウント2―2からの138キロ直球で見逃し三振に仕留めて完勝した。「シーズン中ならどうかと言われたら。今日は運が良かった」と本人は謙虚だったが、初の1軍キャンプの初マウンドで奪った、現4番と未来の4番候補からの2つの三振。未来のエースと期待される西純には、忘れられない1日となった。(山添 晴治)

 ▼阪神・福原投手コーチ(西純は)いいボールを投げていましたし、良かったと思います。ボールに力もあるし、紅白戦ですけど落ち着いて投げられたかなと思います。面白いですよね。

 ▽西純の1年目VTR 2軍安芸キャンプでスタート。シーズン中も育成期間に充てられ、1軍での登板なし。ウエスタン・リーグ11試合に登板してチーム最多タイの4勝(3敗)、防御率4・00だった。11月には宮崎でのフェニックスリーグに参加。奪三振を課題に前田健太(ツインズ)を参考にした新フォーム習得に励んだ。

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