日本ハム、難聴の石井打撃投手に寄り添うコミュニケーション 距離保ちマスクなしで会話

[ 2021年2月5日 06:30 ]

スタッフの上條と話す石井打撃投手(右)
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 【新様式キャンプリポート最前線】耳が不自由でなければ、マスクを着用した生活でも声がこもってやや聞き取りづらい程度かもしれない。しかし、現役時代に「サイレントK」と呼ばれ、先天性難聴を抱える日本ハムの石井打撃投手は、コロナ下で生活がガラリと変わった。

 「マスクで口を覆っているので、しゃべっている言葉が分からない」。両耳が難聴の石井打撃投手は、日常的に補聴器を使用。声は多少聞き取れるが、基本的には相手の唇の動きを読み取る読心術でコミュニケーションを取っている。それがコロナ下でマスク着用が常識となり、周囲との会話が一段と「不自由になった」と話す。

 練習中、選手はマスクを外しているが、首脳陣やスタッフはマスクを着用。そこで周囲にお願いし、一定の距離を取って「マスクを外してしゃべってもらっている」という。石井打撃投手のことを理解しているチーム内ならこのように意思疎通ができているが、日常生活では屋内など、感染予防でマスクを外せない環境となると周囲との会話は困難を極める。店員など相手がメモを持っていれば筆談。メモを持っていない場合は携帯電話のメモ機能を使い、文字を打ち込んで「画面を見せて」コミュニケーションを取るようになった。

 周囲も打撃投手の仲間を中心に、石井打撃投手に寄り添ってサポートする。上條打撃投手は「ミーティングなどでは近くにいて、言葉やジェスチャーで確認事項の要点を伝えている」と説明する。日本ハムのチームワークの良さが垣間見られた。(日本ハム担当・東尾 洋樹)

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