西武ドラ6・ブランドン 平良と“沖縄対決”フリー打撃6の3で開幕スタメン猛アピール

[ 2021年2月5日 05:30 ]

打撃練習するブランドン(撮影・尾崎 有希)
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 西武のドラフト6位、タイシンガー・ブランドン大河内野手(22=東農大北海道オホーツク)が4日、フリー打撃で同じ沖縄出身の平良海馬投手(21)と対戦。高校時代に三振に仕留められた1歳下の昨季新人王を相手に6スイングで3本の安打性を放った。リベンジに成功し、開幕スタメンへの猛アピールにも成功した。

 第1クール最終日の宮崎・南郷キャンプ。太陽の強い照り返しに、ブランドンの甘いマスクが映えた。

 「高校時代に対戦して同じ沖縄出身なので、打席の中で楽しんでできました」。フリー打撃で石川(沖縄)3年夏以来、4年半ぶりに1学年下の平良と対戦。当時、練習試合で顔を合わせた際には「バズーカみたいに速かった」と三振。「今日も相変わらず速かった」と振り返ったが、成長ぶりを見せつけた。

 北海道六大学リーグで3度の首位打者に輝いた巧みなバットコントロールで、最速160キロを誇る剛腕打ちに成功。6スイングで左中間、右中間、中前と、きれいに3本の安打性を打ち分け、見事にリベンジを果たした。

 米国人の父を持つハーフで本名はタイシンガー・ブランドン大河。昨秋のドラフトで指名されると、特徴ある名前がツイッターでトレンド入りした。課題の三塁守備では、名手の辻監督が「(プロでは)素人だからね。基本をしっかり教えたい」と自らゴロを転がし、ブランドンは素手で捕球を繰り返した。「自分がうまくなるために必要なこと。一日でも早く吸収して上達できたら」と、苦手分野にも真摯(しんし)に取り組んでいる。

 正三塁手の中村が左ふくらはぎ違和感のため別メニュー調整中で、辻監督は開幕スタメンの可能性についても「ゼロじゃない。どんどん(いい部分を)見せて“行ける”という気持ちになったら考えます。パンチ力あるからね」と期待した。

 「打撃の調子はいい方。どんどん続けてアピールできたら」とブランドン。西武の沖縄出身選手は山川、多和田、平良とタイトルホルダーがズラリ。その系譜を継ぐ甘いマスクの男が、「獅子おどし打線」の新たなピースとなる。(花里 雄太)

 【タイシンガー・ブランドン大河=たいが】
 ☆生まれ&サイズ 1998年(平10)6月15日生まれ、沖縄県うるま市出身の22歳。1メートル79、84キロ。右投げ右打ち。
 ☆球歴 伊波小4年から前原ルーキーズで野球を始め、伊波中では軟式野球部で投手兼捕手。石川では1年秋から投手兼4番を務め、高校通算18本塁打を放つ。東農大北海道オホーツクでは1年春からベンチ入り。3年春から3季連続(4年春は中止)で北海道六大学リーグの首位打者に輝いた。ベストナイン5度。
 ☆名前の由来 父・デイビッドさん(51)は米国人、母・恵さん(49)は沖縄出身。「タイシンガー」は父のファミリーネームで、「ブランドン」には「何事にも動じず、強いたくましい人に」、ミドルネームの「大河」は「大きな河のように広い心を持った人に」との意味が込められた。
 ☆約2500キロ離れて進学 高校では甲子園出場がかなわず、プロ志望届は断念。地元・沖縄から遠く離れた北海道の大学に進学した。

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2021年2月5日のニュース