楽天 「とにかく明るい選手ランキング」1位は…3年目の渡辺佳明

[ 2021年2月5日 09:00 ]

楽天・渡辺佳
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 楽天の沖縄・金武キャンプは活気や元気に満ちあふれている。第1クールを終えたばかりだが雰囲気は最高だ。ムードメーカーだった渡辺直人(1軍打撃コーチ)が現役を引退し、藤田や岡島も2軍スタート。盛り上げ役の不在という心配は杞憂に終わった。

 例えば午前中のシートノック。全員がワンプレーに集中しながら声もよく出ている。初日からミスはほとんどない。ノッカーの奈良原内野守備走塁コーチが「サードランナー、周東!」と声を上げると、選手たちは「周東、突っ込むよ!」「周東、ギャンブル(スタート)!」と応じる。コーチが打ち損じると「ヘイ!ノッカー!」という声と笑い声が。投手陣も負けていない。投内連携やランニングメニュー、ブルペンも元気いっぱいだ。

 第1クールの「声のMVP」を独断で選定させてもらうなら、3年目の渡辺佳だ。守備練習中だけでなく、打撃練習でもスイングごとに声を張り上げる。しゃがみ込んでは立ち上がり、また叫びながら渡辺直人コーチが上げてくれた球を打つ。いかにもキャンプらしい光景だ。2位は僅差で捕手の田中貴か。キャプテン2年目の茂木の声もよく響いている。

 厳しいプロの世界では良い成績を残すことが大前提だが、チームに貢献する方法は投げる、打つ、走るだけじゃない。渡辺佳は「このキャンプ、とにかく目立ちます。声は誰にも負けていないつもりです。声は武器になるので」と言い切る。オフの自主トレで師事している鈴木大はまさにその典型。安定感あるプレーだけでなく、球界屈指のリーダーシップの持ち主としても知られる。その背中を追っているのだろう。

 昨季途中に巨人からトレードで加入した田中貴も「僕のアピールポイントは元気の良さ」と力を込める。絶対的正捕手が不在のチームとあって「正捕手を目指している。チャンスはあると思っている」と鼻息は荒い。

 キャンプ~オープン戦は、開幕1軍を懸けたし烈なサバイバルレースだ。仮定ではあるが、同じような成績を残している選手2人のうち1人が1軍に残すという選択をする場合。より声を出してチームを盛り上げていた選手が選ばれるということもあるのではないか。数字には表れない部分が首脳陣の目に留まり、それをきっかけに1軍で確固たる地位を確立していった選手は少なくない。

 新型コロナウイルスの影響で、外国人選手の合流が遅れている。チームにとってマイナスな部分もあるが、定位置獲得を目指す若い選手には大きなチャンスだ。「外国人選手のいないスポットに若い選手が入ってくれることを期待している」と石井新監督。若手が目の色を変えて元気いっぱいにアピール合戦を繰り広げれば、チームはさらに活気づくだろう。(記者コラム・重光晋太郎)

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2021年2月5日のニュース