広島の新部門「2・5軍」の1年目を検証 キーマン・畝コーチ、「初代」入門生から成果を紐解く

[ 2020年11月30日 06:45 ]

畝コーチ
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 新たな試みの1年目が終わった。広島は今季、投手強化指定部門を3軍に設立した。これまで強化指定の新人投手とリハビリ組が属していた3軍に、矯正が必要な投手4、5人を追加。2軍本隊とは離れ、大野練習場を拠点に指導を受ける「新・強化指定」が始動した。

 キーマンは2人。昨季まで1軍担当だった畝投手コーチには「3軍統括」との新たな肩書きが与えられ、昨季限りで現役引退した飯田スコアラーは「ラプソード」などを駆使して動作解析を行った。通称「2・5軍」と呼ばれた。

 「マンツーマンで個別指導できるのは大きい。体の可動域を広く使うことにも積極的に取り組んだ。飯田もよく勉強をしてくれてね。数値だけではない部分も意識してくれた」(畝3軍統括コーチ)

 1年目の成果は、変化球に現れた。「初代2・5軍」に指名された島内、矢崎に共通した課題は、150キロ超の直球を生かし切れない制球力にあった。「島内ならカットボールとか、矢崎もスライダーを使えるようにと考えた」。畝コーチは、カウントを整えられる球から活路を見出そうとした。

 島内は「ラプソードの数値を見て、どういう投げ方をすればどういう角度の球がいくのかを照らし合わせながらできたのはすごく良かった」と振り返る。そして、2・5軍からの昇格1号となり、大卒1年目だった昨季を上回る38試合に登板。カットボール、フォークを使えるようになったことで奪三振率が上がり、一時勝ちパターンを担った。

 矢崎は6試合登板に終わったものの、取り組んできたスライダーへの手応えを明かす。「これまでは、直球だけを待たれている状態で直球を投げるしかなかった。いまは相手が直球とスライダーを半々で待ってくれているのかな…と思う」。今秋から先発に再転向し、来季への準備を進めている。

 課題も残った。高卒3年目の山口は、故障も重なり未昇格に終わった。それでも「2・5軍はコーチが付きっきりになる。畝さんがずっと見てくれているので、自分が気付いていない少しの変化も分かってくれる」と感謝する。大卒3年目の平岡は戦力外。育成・佐々木はナックルに挑戦して支配下登録を目指している。

 畝コーチは「時間をもらっているので、勇気を出して変えていくことも必要なのかなと感じた。今年の反省を生かしながら、来年はシーズン中でも方向転換を恐れずにチャレンジしていきたい」と来季を見据える。育成のカープの挑戦は続く。(記者コラム・河合 洋介)

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