最下位がどうした! 広島には堂林がいる! セ界ぶっちぎりの打率・420 巻き返しの旗印に

[ 2020年7月17日 05:30 ]

セ・リーグ   広島4-9巨人 ( 2020年7月16日    マツダ )

<広・巨(6)>4回2死二塁、堂林(7)は2ランを放ち、ナインの出迎えを受ける(撮影・森沢裕)
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 広島は16日の巨人戦に4―9で敗れ、昨季4月19日以来、454日ぶりとなる単独最下位に転落した。巨人戦同一カード3連敗(長野、前橋、宇都宮)は、14年9月以来6年ぶり。マツダスタジアムでは11年8月以来9年ぶり。堂林翔太内野手(28)の4号2ランも白星につながらず、今季最多の借金4となった。 

 堂林の覚醒に喜び、チームの勝敗に肩を落とす日々が続く。初回から3点劣勢の重苦しい展開で、ナインを鼓舞したのは、この日も堂林だった。

 4回2死一塁で打席を迎え、一塁走者・鈴木誠が二盗に成功。2ボールから真ん中付近に入ったメルセデスのスライダーに、強引さを捨てた中堅より右への打撃で、ライナー性のまま右中間席最前列に着弾した。「(ストライクを)取りに来る球を積極的に行こうと思った。投手に向かっていかないといけないので、(得点圏の)走者に関係なく、やることは変わらない」。6回1死からは、左中間への二塁打を放ち、打率はさらに上げて・420。両リーグ唯一の4割台を維持した。

 今季の4本塁打のうち、中堅から右方向が3本を数えるように、右方向への高い意識が好調を支えている。「内容のある打席が増えている。(状態の)維持とかを考えずに同じルーティンを続ける。今年は、そういう決めを持ちたいと思っている」。好調だけでは片付けられない、確かな技術の向上が猛打を支えている。

 ただ、堂林の一発でさえも「逆転のカープ」を呼び起こすことはできなかった。巨人戦同一カード3連敗は、14年9月以来。マツダスタジアムに限れば、11年8月以来の屈辱の中で最下位に転落した。佐々岡監督は、「早め早めの継投の中で追いつけそうで追いつけなかった」と振り返ったように、投打がかみ合わない日が続く。

 最下位転落は、昨季4月19日以来、454日ぶり。思い返せば、昨季も開幕早々に苦難が訪れた中、5月には「11連勝&月間20勝」と球団記録を塗り替えて一時首位に立った。屈辱を力に変えたときの赤ヘルの恐ろしさは、昨季の経験が教えてくれている。 (河合 洋介)

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