遅球のファンタジスタ 傷ついたチームメートの言葉「軽く投げても130は超えるよな」

[ 2018年11月25日 21:34 ]

現役当時の星野伸之氏
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 野球解説者の星野伸之氏(52)が25日放送の関西テレビ「お笑いワイドショー マルコポロリ!」(日曜後0・59 通常は後1・59)に出演。代名詞というべき“遅球”について、様々なエピソードを語った。

 星野氏はオリックス(阪急)や阪神で活躍。端正な顔立ちやスポーツ選手らしからぬスリムな体型で人気も高く、「星の王子様」の愛称でも親しまれていた。通算勝利数は歴代36位の176勝を挙げており、90年代を代表する名投手となった。

 星野氏の最大の武器と言えば、なんと言っても“遅球”。ストレートは最速で130キロ台そこそこだったが、70〜90キロ台のスローカーブやフォークボールを駆使し打者を翻ろう。投球の際、球の出どころが分かりにくいこともあって、意外にも奪三振も多かった(通算奪三振2041個)。

 遅球は星野氏の武器でもあったが、コンプレックスでもあった。チームメイトがポソッと「軽く投げても130(キロ)は超えるよな…」の声にショックを受けることも。球速表示を恥ずかしく感じ「スピードガンのない球場が良かった」とか。ファンに野次られることもしばしばで、「だから試合が長いんじゃ」という笑うに笑えない声も浴びせられたという。

 中でも遅球伝説の最たるものといえば、1990年9月20日の日本ハム戦。星野氏の投じたスローカーブを捕手の中嶋聡氏が、素手で直接キャッチするという前代未聞の暴挙(?)に出た。星野氏はこの時を振り返り「(中嶋氏が捕って)すぐに返球してきたのがイヤでした」とポツリ。共演していた西崎幸広氏(54)の「星野より速いんすよ、(中嶋氏の)ボール(返球)が」とのコメントに、星野氏は苦笑いするしかなかった。

 カモにしていたのは「1年目の外国人」で、「ド真ん中の真っ直ぐさえ投げなければ大丈夫だった」とのこと。あれだけ遅い球で三振の山を築く投球術は、初見の外国人にとってまさに“魔球”と感じるものだったに違いない。

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