ソフトB中村晃 シリーズ男打!球団最多タイ3度目V打

[ 2018年10月31日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2018第3戦   ソフトバンク9―8広島 ( 2018年10月30日    ヤフオクD )

<ソ・広>4回1死一、二塁、中村晃は先制の右前適時打を放つ(撮影・三島 英忠)
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 6月17日。4打数無安打に終わった九里と、4カ月後の再戦だった。ソフトバンク・中村晃は頭を整理し、打席に入った。

 0―0の4回1死一、二塁。内角カットボールを捉え、右前に運んだ。今シリーズ3試合目でチーム初の先制点。「全然打っていなかったので何とか打ちたいなと。いい所に転がってくれた」

 カットボールは前回の対戦で一球も見ていない。持ち球として頭の片隅に置いていた。「どんな軌道か分からないから難しいですけど、バッテリーはあれを振らせて内野ゴロを打たせたいと」と、相手の上をいった。

 今シリーズは2試合で9打数1安打だった。タイミングが合わず、ミスショットするシーンもあった。それでもいつも通りのルーティンは変えなかった。数種類のティー打撃をこなし試合に臨んだ。「変えたところで間に合わない。後は運があるかないか」と割り切った。日本シリーズでの決勝打は球団タイ記録の3度目。「いいところで打てれば打率は残らなくてもいいと思っている」と試合を決める一打を喜んだ。

 同じ4回。大きな2点目は、左太腿痛から復帰2戦目の今宮のバットから生まれた。2死一、二塁で2球続いた外角スライダーをしぶとく左前に運んだ。「形は良くなかったけど、ヒットになって良かった。連敗だけは避けたかった」。九里は直近の登板となった19日の巨人とのCSファイナルSでは右打者に対し、スライダーでカウントを取る傾向が顕著だった。「狙い球をしっかり絞っていこうと」と配球も頭に入れ、一振りで仕留めた。

 昨年のDeNAとの日本シリーズ第2戦では左手で捕手のタッチをかいくぐった「神の手生還」で貢献したが、今年はバットでチームを救った。 (川島 毅洋)

 《球団最多タイ》中村晃(ソ)が4回に決勝の適時安打。中村晃の日本シリーズでの勝利打点は14年阪神第4戦、17年DeNA第2戦に続く3度目で、野村克也、ハドリ、小久保裕紀、松田宣、李大浩、内川に並ぶ球団最多タイとなった。また、ソフトバンクは9―8で逃げ切り勝ち。両軍7点以上の1点差試合は10年第7戦ロッテ8―7中日以来5度目となったが、9―8での決着は日本シリーズ史上初めてだ。

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2018年10月31日のニュース