ソフトバンク スカウト陣10年越しの執念 ドラ7・MHPS奥村指名あいさつ

[ 2018年10月31日 16:41 ]

指名挨拶をうけたソフトバンクドラフト7位の三菱日立パワーシステムズ・奥村(写真中)。左が福山龍太郎アマスカウトチーフ、右が担当の荒金久雄スカウト
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 ソフトバンクからドラフト7位で指名された三菱日立パワーシステムズの154キロ右腕・奥村政稔(まさと)投手(26)が31日、神奈川県横浜市内の同社で指名あいさつを受けた。

 王貞治・球団会長と工藤公康監督の直筆サインボールを手渡された奥村は「指名された直後はホッとした思いだったが、今はワクワクとか喜びが湧いてきた」と笑顔を見せた。

 奥村の指名の裏にはスカウトたちの10年越しの執念があった。この日も同席した福山龍太郎アマスカウトチーフは奥村が中津商1年時、同校のブルペンで投げている姿を見ていた。「高校ですでに145くらい出ていてスライダーも良かった」。チームが少人数で早くから大黒柱として投げていた奥村は卒業後、大学に進学。そして入寮したての3月、立ち上がったばかりのソフトバンク3軍戦に先発し、いきなり5回完全投球をやってのけた。大学を中退し、三菱重工長崎でプレーし統合によって横浜に合流。福山スカウトから引き継いだ神奈川エリアの担当・荒金久雄スカウトは昨年都市対抗予選で目を見張った。マメをつぶし、ユニホームを血で染めながらも投げる姿に「ハートと投げっぷりが素晴らしい。福岡のファンに見せたい選手。昔から追いかけていたなら、いきましょう」と再度推薦。昨年も指名候補入りしていたという。

 昨年は縁がなく、奥村は「もうプロは無理なんだろうなと。今年は投げることに集中できたのが結果的に良かったのかな。家族には“関東で挑戦したい。行かせてくれんかな”とお願いしてこちらに来た。単身赴任だったのでそう何年も続けられない。1年1年いつ終わっても悔いが残らないようにとやっていた」。プロ入りの夢は叶わなくても、家族を思えば心折れている場合ではない。今季公式戦は防御率1点台とエースとして安定した実績を残し、ついにドラフト会議で名前が呼ばれた。

 指名を信じてドラフト中継を見ていた地元・大分の両親や家族は「泣いて喜んでくれた」という。福山チーフは「心が成長してマウンドに立てば絶対にいける。もう1度推薦したいという思いで評価した。立派な大人に成長したなと思います。パ・リーグはフルスイングしてくるバッターが多い。臆せず、前に飛ばせないような球を投げてほしい」と期待。荒金スカウトは「会社のエースを快く送り出してくれる三菱日立パワーシステムズさんに感謝したい」。10年越しの成就とあって、感無量の面持ち。奥村は11月6日に社会人最後の大会となる日本選手権初戦・NTT西日本戦に臨む。「しっかり投げて、会社に恩返ししたい」と腕をぶした。

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