広島・安部 “9番”史上初満弾&G堀内以来45年ぶり2発

[ 2018年10月31日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ2018第3戦   広島8―9ソフトバンク ( 2018年10月30日    ヤフオクD )

<ソ・広>8回1死満塁、安部は右越えにグランドスラムを放つ(撮影・三島 英忠)
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 力強く右手人差し指を天に突き上げた。三塁ベンチの仲間に一瞬、視線を送ると拳を握る。絶対にあきらめない。カープ野球の心髄を示したのは安部だった。4―9の8回1死満塁。加治屋のカーブをすくいあげ、白球を右翼ホームランテラスへと打ち込んだ。日本シリーズ史上初となる9番打者のグランドスラムだった。

 「誰もあきらめていなかったし、あきらめる必要もない。みんながつないでくれたので、何とか気持ちだけで行きました」

 反撃ののろしを上げたのも安部だった。2点を先行された直後の5回1死。ミランダの142キロ直球を一振りで仕留めた。「ホームランは狙っていないけど、チームが勢い付いてくれて良かった」。打球は低い弾道で右翼席へ。日本シリーズ24打席目での初本塁打で打線を活発化させた。9番打者の1試合2本塁打は73年の巨人・堀内恒夫以来45年ぶり2人目。1試合5打点は9番としては史上最多となった。

 福岡県北九州市出身。幼少時からダイエー、ソフトバンクに親しんできた。小学6年時の01年8月13日。北九州市民球場でのダイエー―西武戦の始球式に登板したこともある。「捕手が城島さんで打者が松井稼頭央さん。投手は佐久本さんで、高めでしたが、ゾーンには行きましたよ」と笑顔で記憶をたどる。球場には両親を招待。趣の違う2発で故郷に錦を飾った。

 開幕から不調に苦しみ、状態が上がってきた矢先の8月5日DeNA戦で右手中指を骨折。復帰までにおよそ1カ月半を要した。借りを返すため、並々ならぬ決意で日本シリーズに臨んでいる。

 「負けたけど、1点差まで迫れた。相手は嫌だったと思うし、明日につながるように、しっかり準備したい」

 恐怖の9番。広島の得点はどこからでも生まれる。(桜井 克也)

 《マルチ本塁打2人は史上初》安部(広)が1号ソロに2号満塁弾の活躍。日本シリーズの満塁本塁打は16年第6戦のレアード(日)以来20人目(チーム3人目)で、9番打者では史上初めてだ。また、空砲の不運は04年谷繁(中)に次ぎ2人目、満塁を含むマルチ本塁打は04年カブレラ(西)に次ぎ2人目になる。9番打者の5打点も史上最多となった。この試合では安部だけでなく同僚の鈴木も2ホーマー。日本シリーズのマルチ本塁打は15年山田(ヤ)の3本塁打を筆頭に28人、33度となったが、同一試合で2人は史上初。

 《両軍合計6本塁打は2位タイ》この日の両軍合計6本塁打(広島4本、ソフトバンク2本)は、89年第7戦の7本(巨人4本、近鉄3本)に次ぐシリーズ2位タイ。広島の4本塁打も63年第7戦の巨人の5本に次ぐ記録で、84年第3戦に並ぶチーム最多記録になった。なお、この日の広島は16安打。過去のシリーズ敗戦試合の最多安打は50年第6戦松竹、56年第5戦西鉄の各15安打となっており、広島は史上最多安打の敗戦となった。

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