育成で復活期す中日・浜田達郎を奮い立たせた同期・藤浪の今季初勝利

[ 2018年6月17日 10:30 ]

育成から再起を期す中日・浜田達郎(2016年撮影)
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 4月から阪神担当になり甲子園球場で取材をしていると、愛工大名電時代の同級生である浜田達郎(中日)が活躍した記憶がよみがえってくる。

 2012年のセンバツで「高校BIG3」と称された3人の逸材はそろって出場し浜田もエースとしてチームを8強入りに導いた。同年秋のドラフトでもライバル2人が1位指名される中、中日から2位指名を受けた。大谷翔平(現エンゼルス)は今年からメジャーリーグに活躍の場を移し、藤浪晋太郎(阪神)は15日の楽天戦で407日ぶりの復活勝利を飾った。その一方で、浜田は14年に左肘を故障すると16年オフには育成選手となり、現在も復活へ向けて努力を続けている。

 浜田の最大の武器はMAX147キロの直球だ。愛工大名電では1年秋から主戦投手として3年時に春夏連続で甲子園出場を果たした。2年秋には明治神宮大会で準優勝した。14年5月7日の阪神戦でプロ初先発し初完封を果たしたが、左肘故障に伴い長いリハビリ生活を強いられた。16年には3度もの手術を経験し、気持ちの面でも腐っていたという。

 ただ、今年に入り、浜田にもようやく明るい兆しが見られた。6月13日にシート打撃に登板。同17日には2度目のシート打撃に登板するなど復活へ向け順調な日々を送り始めた。「今は痛みや不安はない。まずは早く試合で投げられるようにやっていきたい」と気持ちの面も見違えるほど前向きになっていた。

 ケガをしている期間が長かったため後輩には同じ辛さを味わってほしくないという思いもあり、積極的に助言も送る。「自分と同じ状態の選手がいたら、ケガの段階に合わせた調整法や、ここら辺りが張ってきたりしたらトレーナーさんとかに見てもらいなよ、と声をかけたり、相談に乗ったりして出来ることはやっている」と、自身の経験をムダにはしていない。

 そして、自身を奮い立たせたのが、同期の藤浪の復活劇だった。客観的ではあるが、藤浪の今季初勝利を見て「ホッとしたし、うれしかった」と漏らした。立場などは違うが、どん底を経験した藤浪の姿と自身が重なる部分があるという。浜田が最後に実戦登板したのは16年9月2日のウエスタン・リーグ、オリックス戦。同期の2人の背中は遠いが、一歩ずつ確実に差を詰めていく。(阪神担当・長谷川 凡記)

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2018年6月17日のニュース