球児 675日ぶりセーブ「じっくりやっていく」

[ 2018年6月17日 05:30 ]

交流戦   阪神2―1楽天 ( 2018年6月16日    楽天生命パーク )

<楽・神>9回を締め、今季初セーブを挙げた藤川(中央)(撮影・篠原岳夫)
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 幾多の修羅場をしのいできた阪神・藤川は、最後まで冷静だった。田中の捕邪飛を原口が体勢を崩しながらつかむと初めて表情が緩んだ。セーブは16年8月10日の広島戦以来、実に675日ぶり。日米通算226セーブ目は、またひと味違ったものだった。

 「まだ6月。後半になれば、もっとしんどい場面が来る。じっくりやっていきますよ」

 仙台市内のこの日の最高気温は14度。肌寒さが残る東北のマウンドでも半袖姿で右腕を振り続けた。逆転に成功した直後の9回に登板。アマダー、茂木を直球で連続三振に仕留めた。代打銀次には中前打され、続く代打聖沢にも四球で一、二塁。一打同点、長打が出ればサヨナラ負け……のピンチでも、動じることはなかった。

 ただ、見た目以上に苦しんだのも事実。不慣れなマウンドに加え久々となる抑え役での登板が31球も費やす結果となった。11球投じたフォークは7球が完全なボール球となり、使える球種が限られる中でも、これまでの経験で蓄えた「引き出し」を随所に引っ張りだし、仕事を遂行。金村投手コーチは「さすがですよ」と熟練の技を称賛した。

 祈る思いで戦況を見つめていた金本監督も、試合後には「あそこは球児を信じるしかないよね。あのボールをね」と振り返り、ホッとした表情を見せた。

 現守護神のドリスが体調不良で出場選手登録を抹消され、巡ってきた代役。当初は桑原との併用プランもあったが、指揮官は「(今後も守護神)だね」と固定する考えを示唆した。

 「何でもやる」。そう宣言して猛虎に復帰してから3年目。頼れるベテランは「代役」と呼ぶには失礼なほどの働きで、金本阪神を支え続ける。(山本 浩之)

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2018年6月17日のニュース