ロッテ 23日に初の「ピンクリボン活動」募金、広がる鳥越コーチの切なる思い

[ 2018年6月17日 10:00 ]

23日の西武戦で「ピンクリボン活動」の募金活動を行うロッテ・井口監督(右)と鳥越ヘッドコーチ
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 ロッテは6月23日の西武戦(ZOZOマリン、午後2時開始)で行う「スーパーレディースデー」で乳がん検診の早期受診など推進する「ピンクリボン活動」に沿う取り組みを初めて実施する。試合前の午後0時35分から20分間、井口監督、鳥越ヘッドコーチが募金活動を行う。

 昨年まで担当だったソフトバンクでは毎年、母の日に近い試合開催日にこの活動が行われ、今季で9度目を数えた。きっかけは昨季までソフトバンクの内野守備走塁コーチだった鳥越裕介ヘッドコーチの悲しい別れからだ。2008年に妻・万美子さん(享年34)を乳がんで亡くし、同じ苦しみを味わってほしくないと始めた。

 「一人でも(助かってほしい)という気持ち」と毎年、イベントでは声を詰まらせ、来場した女性ファンへ必死の呼びかけをした。チームは変わったが井口監督の呼びかけもあり、また、機会に恵まれた。球場への行き帰りに使うのは10年前、妻が乗っていた車だ。「手放せないんだよ…」。時は過ぎたが、心は止まったままだ。

 古巣でも同イベントは継続されている。さらに今季からは中村晃が1安打で1万円を啓発活動を行う「NPO法人ハッピーマンマ」へ寄付すると決めた。「昨年まで鳥越コーチがやっていた活動を引き継いでいきたいと思った」と中村晃。10年近くかけて訴え続けた思いは年輪のように広がり続けている。

 当日は乳がんのセルフチェックブースも設置される。失った時間は取り戻せない。ただ、失う前ならば間に合う。背番号88の叫びに耳を傾け、一人でも多くの女性が行動に移して欲しいと願う。(記者コラム・福浦 健太郎)

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2018年6月17日のニュース