東北福祉大 王手 元西武の大塚監督が元プロ監督対決制す

[ 2018年6月17日 05:30 ]

第67回全日本大学選手権大会第5日・準決勝   東北福祉大7―3慶大 ( 2018年6月16日    神宮 )

<東北福祉大・慶大>3回、大西(左端)の左越え本塁打に喜ぶ大塚監督(右端)と東北福祉大ナイン (撮影・西川祐介)
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 準決勝が行われ、東北福祉大と国際武道大が17日の決勝に駒を進めた。東北福祉大はエース・津森宥紀投手(3年)が4回2/3を無失点の好リリーフで、慶大に7―3で逆転勝ち。元西武の大塚光二監督(50)は、元近鉄の大久保秀昭監督(48)との「元プロ対決」を制した。国際武道大は延長10回、タイブレークの末、九産大に4―3で競り勝った。東北福祉大は14年ぶり3度目の優勝、国際武道大は初優勝を狙う。

 最後の打者を二邪飛に仕留めると、マウンドの津森は両手を高々と突き上げた。慶大を破って14年ぶりの決勝進出。「素直にうれしい。絶対抑えてやろうと思っていた」と会心の笑みを浮かべた。

 最速147キロを誇る横手右腕。昨夏、2年生ながら大学日本代表入りした絶対的エースだ。しかし今年3月、折りたたみの椅子に右手中指を挟み、剥離骨折するアクシデントで全治2カ月のケガを負った。リーグ戦は2試合で計4イニングの登板にとどまったが「ケガは自分のせい。チームのために頑張ろう」と、今大会はフル回転の活躍を見せている。10回を完投した準々決勝の白鴎大戦から中1日で救援待機。先発の山野が3回途中で降板する劣勢の展開に「まだ(肩を)つくらないでいいと言われたけど、急に言われた時に備えた」と自らの判断で5回表からブルペンで投球練習を始めた。すると、その裏1死二、三塁のピンチで出番が来た。「いつも楽しむようにしている」と度胸も満点。140キロ台前半の直球で押しまくって後続を断つと、6回に打線が一挙5点で逆転。そのまま9回まで無失点に抑えた。

 15年から母校を率いる大塚監督は、慶大・大久保監督との元プロ対決を制し「津森は(投入が)2イニングくらい早かったけど、よく投げた。選手は地に足をつけて戦えている」とうなずいた。自身の現役時代は準優勝2度。あと一歩届かなかった頂点を、今度は指揮官としてつかみにいく。 (松井 いつき)

 ◆津森 宥紀(つもり・ゆうき) 1998年(平10)1月21日生まれ、和歌山県出身の20歳。小3から野球を始め、和歌山ビクトリーズを経て和歌山東に進学。2年秋からエース。東北福祉大では1年春からリーグ戦に登板。1メートル77、78キロ。右投げ右打ち。

 ▽全日本大学野球選手権での元プロ監督対決 11年準決勝で東京国際大・古葉竹識監督(元広島)と慶大・江藤省三監督(元巨人、中日)が対戦したのが、史上初めて。試合は慶大が9回に2点を勝ち越し、6―4で勝利した。

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