阪神・糸原サヨナラ“助演男優賞”　粘って出塁＆激走生還

セ・リーグ   阪神５―４巨人 （ 2018年5月26日    甲子園 ）

９回２死一、二塁、中谷の左前打で二塁走者・糸原がサヨナラのホームイン（撮影・大森　寛明）
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　打って、選んで、走って、滑り込んで――。超満員の甲子園で阪神・糸原が躍動した。サヨナラ勝ちの主役は中谷でも「最優秀助演男優賞」は間違いなく同じ２５歳の若虎だった。

　「いい仕事ができたと思います。あれで最後に中谷が打ってくれたんで。点につながったんで良かった。中谷がよく打ってくれた」

　ハイライトは９回だった。１死無走者から１５０キロ前後の直球とスプリットを連投してきた沢村に対し８球粘って四球を選んだ。サヨナラの走者として４度目の出塁を果たすと、続く糸井も四球で二塁へ。山崎の三振で２死となったが中谷を信じた。打球は三塁右を破り左前に抜けたが、左翼の亀井も前身守備を敷いていた。それでも、好スタートから三塁ベースコーチの高代作戦兼総合コーチのゴーサインで一気に本塁突入。返球よりも早く本塁に滑り込む、まさに激走だった。

　金本監督が「暴走気味かなとは思ったんですけど。長年の経験といいますか、何か空気を感じたんじゃないですか」と笑いを浮かべれば、高代コーチも「中谷の食らいつき。糸原のスタート。それが手を回させた」とニヤリとする、一つのミスも許されない中での完璧な一コマだった。

　打っても巨人・田口に対し初回１死から遊撃内野安打を放つと３回先頭では左前打で出塁し大山の中前打で一時勝ち越しとなる生還を果たした。１２日広島戦以来の複数安打で田口とは今季６打数５安打とキラーぶりを発揮。渋い働きもできる糸原は、やはり欠かせない。