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骨のがん乗り越え始球式、野球がつなぐ縁そして地方球場開催の意義

3月16日、静岡でのオープン戦に登板した楽天・則本
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 3月16日。楽天と阪神のオープン戦が静岡・草薙球場で行われた。試合前の始球式には19歳の青年がマウンドに立った。スタンドから拍手で迎えられた彼は、左の肋骨が2本無かった。

 静岡産業大野球部1年(現2年)の山本祐輔さんは中学2年の9月、野球部の試合の帰りに体調の異変に気付いた。翌日になっても腰の痛みや発熱が治まらず。病院で検査を受けると、診断結果は「ユーイング肉腫」。骨のがんだった。

 闘病生活が始まり、そこから入退院を繰り返した。複数回の抗がん剤の投与により頭髪は抜けた。恐怖、嘆き、怒り…当て所ない思いを母・慶子さん(53)にぶつけたこともあった。翌3月には手術を受けた。がんに冒された骨を切除。肋骨を失い肺が“露出”するため、太腿や脇から筋繊維を移植して防護膜をつくった。約8時間に及ぶ大手術。当時14歳の少年は乗り越えてみせた。

 闘病中から祐輔さんの頭を占めていたのは「野球がしたい」という思いだった。「小4から野球を始めて、ずっと続けてきて、野球中心だった。なくしてしまったら、どう生活したらいいか分からない。野球から離れたくない」。14年には城南静岡高に進学。野球部の門を叩いたのは必然だった。大学進学後も投手として白球を追いかけ続けている。

 始球式の前には楽天の練習を見学。憧れの存在とも対面した。「岸選手と写真を撮ってもらいました。岸選手のカーブが好きでマネしていたこともありました。実際に会ってみると、凄く優しかったです」。野球がつないでくれた縁に感謝した。オープン戦期間中、各球団は公式戦で訪れない地方でも試合を開催する。全国各地に散らばる野球ファンのために。地方開催の意義は確かにあった。(記者コラム・黒野 有仁)

[ 2018年4月12日 10:30 ]

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