【裏方の流儀】DeNA吉見打撃投手 選手の心救う理想の“投球”を

[ 2018年2月20日 10:36 ]

裏方の流儀=DeNA・吉見祐治打撃投手(39)

チームを陰から支えるDeNA・吉見打撃投手
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 日課のランニングとストレッチから一日が始まる。DeNA・吉見チームサポーター兼スコアラーは、打撃投手とコーチ陣に配布するデータ作成が主な業務。最も大切にしているのが「選手たちの心のサポート」だと言う。

 選手は繊細な生き物。「結果が悪ければナイーブにもなる。どのタイミングでどんな声を掛けてあげるか。まずは話を聞いてあげることが一番ですね」。現役時代、ブルペン捕手らスタッフの気遣いに何度も救われた。空き時間を利用して、コミュニケーション術やビジネス書などを読むのは「(会話の)引き出しを増やすため」だ。

 打撃練習前、決まって選手と会話を交わす。「練習で意識していることがそれぞれ違う。理解した上で、しっかりスイングができるように投げなければいけない」。打者に投げることは同じでも、現役時代とは真逆のことを求められる。「打たせないように投げていたのが、今はいかに気持ちよく打たせるか。ある程度の制球力があればやれると思っていたけど、これが本当に難しい」。先輩の打撃投手の投げ方を観察しながら、理想の“投球”を追い求めている。

 願いはただ一つ。「具体的な目標は立てづらい仕事だけど、どんな形でもチームに貢献したい」。悲願の日本一に向けて、プロ入りから10年間お世話になったチームを陰から支えていく。 (重光 晋太郎)

 ◆吉見 祐治(よしみ・ゆうじ)1978年(昭53)5月21日、和歌山県生まれの39歳。星林から東北福祉大へ進み、4年時の00年にシドニー五輪出場。同年ドラフト2位(逆指名)で横浜入り。10年5月に金銭トレードでロッテに移籍し、13年から阪神。14年限りで引退し、15年からDeNAで打撃投手。通算44勝62敗、防御率4・84。1メートル88、89キロ。左投げ左打ち。

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