松坂、右肩痛の原因と乗り越えるべき壁…東尾氏が指摘「体がもつか」

[ 2018年2月20日 10:00 ]

西武時代の恩師である東尾氏(右)と自身のユニホームを手に笑顔を見せる松坂
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 【東尾修氏が直撃2】中日の松坂大輔投手(37)が再起への兆しを見せている。西武時代に監督として、松坂と師弟関係を築いたスポニチ本紙評論家の東尾修氏(67)が沖縄・北谷キャンプを訪れ本人を直撃した。

 東尾 覚悟があるのなら誰も文句はない。昨年は右肩痛で何もできなかった。原因は?

 松坂 何で痛いのかずっと分からなかった。MRI(磁気共鳴画像装置)をさまざまな角度で撮って、やっと肩の中の方に傷があるのが見えた。中の筋肉が肉離れしていました。

 東尾 故障のつらさは本人にしか分からない。ただ、現状を見失ってはいけない。ブルペンでは右肩が今までより回って、捕手寄りでリリースできるようになってきているが、下半身と上半身がまだバラバラだ。

 松坂 肩が動くようになって、弧を描くように腕を振れるようになりましたが、もっと重心を低くいきたい。上半身と下半身のタイミングが合うように。まだ確率が低い。

 東尾 それができたとして、(体が)もつかが次の問題。

 松坂 本当にそうだと思います。その投げ方ができたとしても、どれくらいもつか正直、分からないです。

 東尾 体に覚えさせるのはもっと難しい。

 松坂 何年間も僕はできていない。米国のマウンドは(傾斜があり硬いので)下でグッといかなくても体重が乗る。向こうのマウンドの投げ方が染みついてしまっている。

 東尾 日本のマウンドは踏み出した左足が引っかかるのではなく、ズルッといく。そこに下半身が引っ張られたら、肘が上がりきらないうちに、腕が急いで引っ張る形になる。

 松坂 体だけ開いて無理やり、腕を振る。手が頭から離れる。それが一番きつい。それが出た時は、嫌な感じしかしないです。

 東尾 上下のタイミングのズレを一番感じているのは。

 松坂 (09年に)内転筋を痛めた影響かもしれないですが、自分が思っていたより左足が(地面に)着くのが早い。早いのが分かっているから、遅れないように腕が急ぐ。後ろ足(右足)に重心を残しつつ、ゆっくり左足をつけ、そこから体が回っていかないと。今年は右肩の状態が一番いいのは確か。直すチャンスではある。

 東尾 ブルペンの傾斜を使ってだな。

 松坂 本音は一人で投げる時間が欲しい。(兆しのある)今だからこそ、集中して一人で投げたい。

 東尾 最後はどこで恐怖心を振り払うか。

 松坂 正直、試合に入る時にリミッターを振り切って、腕を振れる時が来るのか、“腕が飛んでいってもいい”という感覚で投げられるようになるのか、分からない。再発の怖さはどうやっても消せないと思う。ただ、その怖さを背負っても負けないものを築くしかない。

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