【キヨシスタイル】羽生結弦が教えてくれたこと 教科書の1ページに

[ 2018年2月20日 09:38 ]

平昌五輪フィギュアスケート男子で金メダルを獲得した羽生
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 スポーツって凄いな。日の丸メダルラッシュに沸く平昌五輪。人間はどこまで可能性があるのかって感じさせてくれる。フィギュアスケート男子66年ぶりの五輪2連覇を達成した羽生結弦。異次元の世界を見せてもらった。

 昨年11月に右足首を痛め、ぶっつけ本番となった今五輪。これまで頑張ってきたのが分かっているから金メダルじゃなくてもいいと思っていた。でも、勝たなきゃいけないんだな。勝ったからこそ世界中の人たちに感動を与える。会場が一つになったスタンディングオベーション。国の枠を超越した存在になった。

 優雅で色気すら感じさせる演技力。滑り終えて「頑張ってくれたな」と右足首をさすしぐさ。素直な思いを表現する言葉…。どんな努力をして苦境を乗り越え、超人的な域に達したのか。人生の縮図というか、いろんなことを教えてくれている気がする。これからの若い人たちのために手本として残し、教科書の1ページを飾ってほしい。

 それだけの人生観、重さを持った23歳。その年でお金持ちになったIT長者もいるけど、彼らには感動しない。うらやましいだけ。人々の心を揺さぶるのは、不断の努力で積み重ねてきたものなのだ。

 スピードスケート女子の小平奈緒もやってくれたね。1000メートルはわずかの差で銀メダルに終わったが、500メートルでは五輪新記録をマークして堂々の金メダルに輝いた。

 五輪3連覇ならなかった地元・韓国の李相花(イ・サンファ)と肩を抱き合ってのウイニングラン。いろんな問題を抱える国と国の壁を乗り越えた瞬間だった。五輪を政治利用しようとしている国もあるけど、政治色を取っ払うのがスポーツ。それを象徴するいい姿だった。

 実は宮崎でジャイアンツとホークスのOB戦が行われた10日夜、宮崎からソウルに飛び、15日まで平昌に行ってきた。冬の五輪は初めて。滞在中に行われた室内競技は全て見た。おそらくこれが最初で最後になるだろうが、五輪のあるべき姿をしっかり確認できた。

 帰国後に続いた金メダル奪取。さあ、与えてもらった感動を元気に変えよう。みんな、下を向かないで頑張ろうぜ。 (スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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