【吉村禎章の視点】ヤクルト コリジョンルール意識しすぎて落とし穴に

[ 2016年3月27日 09:13 ]

<巨・ヤ>2回無死二、三塁、中村の左飛で三走・畠山は本塁を突くもタッチアウト。捕手・小林誠

セ・リーグ 巨人10―5ヤクルト

(3月26日 東京D)
 この開幕2試合を見て、ヤクルトは今季から導入されたコリジョン(衝突)ルールを意識しすぎて“はまっている”という印象を強く持った。

 開幕戦と全く同じく2回に無死二、三塁の先制機を迎えた。三塁走者がさほど足の速くない畠山というのも同じ。次打者・坂口の左邪飛でタッチアップして本塁憤死となった。無死ということを考えれば、本来、無理して突っ込むケースではない。1死二、三塁で好機が続くはずが、ワンプレーで2つのアウト。ルール的には攻撃側有利ではあるが、一転させるリスクも伴う。仮に坂口の打球が右邪飛ならば、捕手は必ず追いタッチになるので、あの浅さでも勝負する価値はあったと思う。

 一方、巨人は2回無死二塁から三ゴロで亀井が三進。ヤクルトが従来の前進守備よりさらに2メートル近くも前進する中で、小林誠が右前に落とした。その小林誠も得点にはつながらなかったが、4回1死二塁から遊ゴロで三進している。各走者とも打球に対して一歩目の反応が格段に良くなっており、コリジョンルールによって走塁の意識が磨かれつつあるといえる。(吉村禎章・スポニチ本紙評論家)

続きを表示

2016年3月27日のニュース