木更津総合・大沢が好リード　45年ぶり快進撃、強豪に「借り返せた」

＜大阪桐蔭・木更津総合＞１回２死、大阪桐蔭・吉沢は左越えに先制ソロ。木更津総合の大沢捕手はこの１点だけに大阪桐蔭打線を封じた

第８８回選抜高校野球大会第７日・２回戦 木更津総合４―１大阪桐蔭

（3月26日 甲子園）
　エース左腕・早川の快投を見事に演出した。強打の大阪桐蔭打線をわずか１得点に抑えた木更津総合の大沢翔捕手（３年）は「長打だけは避けたかったので球が低めに集まる配球にした。甲子園で借りを返せて良かった」と笑顔をみせた。

　初回２死から吉沢に先制の左越えソロを被弾。大沢はすぐさま早川に声をかけた。「１点はＯＫ。最少失点でいこう」。力みがとれた早川を変化球主体の配球でリード。中盤からは直球の割合を増やして的を絞らせないように工夫し、２回以降は無失点。「相手は淡泊な面が出ていたので、秋より楽に配球を組み立てられた」と振り返った。

　昨秋の明治神宮大会初戦で大阪桐蔭に２―５で敗れた。「甲子園で借りを返す」。その一心で冬場の厳しい練習に耐えた。昨夜のミーティングでは早川と一緒に大阪桐蔭の映像を見て、打者一人一人の攻め方を話し合った。「１回戦で落ちる球を空振りしていた」。冷静な分析から決め球には主にチェンジアップを選択。入念な準備で早川を好投に導いた。

　バットでは３打数無安打だったが、３回１死一塁の１打席目は投前犠打でつなぎ、４得点のビッグイニングに貢献した。１２年の夏の甲子園初戦で敗れた宿敵に雪辱を果たし、４５年ぶりに８強入り。同校の甲子園最高成績は７１年春の４強だ。頼れる扇の要が投手の持ち味を存分に引き出し、初の決勝進出へ導く。（青木　貴紀）