５度けん制球何の！楽天オコエ　プロ初盗塁「ひとつ自信になった」

＜楽・ソ＞１０回１死一塁、打者・岡島の時、オコエがプロ初盗塁を決める

パ・リーグ 楽天３―３ソフトバンク

（3月26日 コボスタ宮城）
　土で汚れたユニホームが勲章だ。３―３の延長１０回１死、代走で途中出場していた楽天のドラフト１位・オコエにプロ初打席が回ってきた。バリオスに対し、３ボール１ストライクから四球を選んで出塁すると、コボスタ宮城のファンの期待感はグッと高まった。

　５０メートル５秒９６の俊足を警戒され、計５度のけん制球を受けた。帰塁する度にユニホームは黒くなる。「もらえるチャンスは少ない。勉強とともにアピールしないと」。そして岡島への４球目に果敢にスタートを切ると、トップスピードに乗ったまま右足をベースに突き刺し、プロ初盗塁を決めた。「警戒されている中、盗塁できたのはひとつ自信になった」と笑った。

　２月の久米島春季キャンプ。走塁練習で米村外野守備走塁コーチから「ハチのように刺せ」と言われ続けた。高校まではベースの遠くから滑り出していたが、ベースに足を突き刺すようなスライディングは到達時間の短縮につながる。「近くで突き刺すスライディングを意識している。今までのだったらアウトかな」。プロ入り後に身につけた技術だった。

　１２回２死で回ってきた第２打席はサファテの１５２キロに詰まり二飛でドローに。梨田監督は今後の１軍帯同について「（決めるのは）まだ早い」と明言を避けたが、１８歳の一プレーごとにスタンドが沸くのを見て「勝つことも必要だが、ファンも期待している。合格じゃないでしょうか」と認めた。いるだけで空気を変えられる。オコエには間違いなくスターの素質がある。　（徳原　麗奈）